楽器がそれぞれの音色を持っていたり、
声に「その人らしさ」を感じたりと、
多種多様な「音の個性」が存在するのは、
1つの音に様々な倍音が含まれているからです。
個性の数だけ声の悩みがあり、
同時に、
個性の数だけ声の魅力があるんです。
悩みの解決方法も、
魅力を伸ばすトレーニングも千差万別。
その人にピッタリと合ったやり方があるということですね。
怖いのは、
それを知らずに「魅力の原石」である
個性を封じ込めてしまったり、
間違った方向に進んでしまったりすることです。
「声が○○だから嫌だ」と思い悩んでいる方。
もしもその
嫌なところが、あなたの「魅力の原石」
だとしたら―――?
「自分の声の魅力って?」
「長所を伸ばせるの?」
「悩みを解決するには?」
そういった疑問を解決するために役立つのが、
まず「自分の声はどういう声なのか?」という
根源的な部分を探ることなんです。
自分自身に対しての理解をより深め、
未来への指標として役立てるためにも、
ぜひチェックしてみてください!
今回はまず、
整数次倍音を多く含む声と、
非整数次倍音を多く含む声の魅力の違いに迫っていきましょう!
整数次倍音の魅力!
整数次倍音が多く含まれる声は、
・雑味が少ない
・張りがある
・よく通る
と言われるクリアな声です。
クラシックやオペラといった西洋古典音楽が、
雑味成分を減らし整数次倍音を含ませることに特化しているように、
正統派とも言える、まっとうで素直な、
万人に好まれる音と言えます。
嫌みのないまっすぐな声で、
明るく素直な印象を受けます。
例えば、いきものがかり吉岡さん、西野カナさん、松田聖子さんなど。
松田聖子『あなたに逢いたくて』
https://youtu.be/Fr6O2GpUEsk
いきものがかり『帰りたくなったよ』
https://youtu.be/vQBozYopNa8
高く張りがある場合は、
小田和正さんのような、
とてもクリアな凛とした歌声です。
整数次倍音が多く含まれている声は
カリスマ性を備えていて、
TMレボリューションの西川さん、Superfly越智さん、B’zの稲葉さん、郷ひろみさん
のようにギラギラとしたエネルギッシュで輝くような印象を与えます。
Superfly『黒い雫』
B'z 『ultra soul』
タモリさんや黒柳徹子さんの声にも多く含まれていますが、
やや低めで力強い場合、
あまり冗談が通じないような
従うべき
厳しそう
といった少し怖い印象を受けるかもしれません。
言い代えれば、誠実な印象、
お坊さんや神主さんのように、正しく、説得力のある
荘厳な雰囲気とも言えます。
非数次倍音の魅力!
非整数次倍音は、
金属的な音などに含まれる不規則な波長で、
木々がざわめく音、雨音、風の音、虫の鳴き声などの
自然の音に多く含まれます。
囁き声や内緒話のコソコソ声などのいわゆるウィスパーボイスや
声に吐息が混じるハスキーボイスのような、
息混じりの声には非整数次倍音が多く含まれています。
逆に行き過ぎると「がなり声」のように割れたような響きで、
耳障りなノイズとして受け取られる場合もあります。
本能に訴えかけてくるような、
情緒性のあるガサガサした音色が特徴です。
さんまさんやたけしさんは特に顕著で、
友達になれそうな、
親しみやすさの感じられる声です。
楽器であれば尺八や三味線、
ギターで言えばきっちり弦を弾かなかったときのボヨンとした音、
チョーキングやブラッシングといったテクニックの、
キュッ、ガガッ、といった、
メインの音とは別の雑音のような音にも含まれています。
雑音というと邪魔なイメージがありますが、
個性を醸し出す重要な音色なのです。
力強さがある場合、
パンクロックやヘヴィメタルのように激情的な、
味のある、感情に訴えかける、
かっこいい、熱いものになります。
ブルーハーツの甲本ヒロトさんや尾崎豊さん、
The michelle Gun Elephantなどが例です。
濁流のように流れ込む音は、
悪く言えば「うるさい」とも言えますが、
クラシックを退屈だと感じる人がいるのは、
非整数次倍音があまり含まれていないからだ、とも言われます。
The Michelle Gun Elephant『Drop』
ブルーハーツ『人にやさしく』
https://youtu.be/hhOMoTkYh9I
また、女性では、
高く繊細であれば、
心に染み込むような、
包容力のある、
甘く誘うような声になり、
低く力強ければ、
セクシーで妖艶な、
円熟した印象を受けます。
特徴的なのは、YOUさんやCHARAさん、鬼束ちひろさん、UAさん、AIさんなど。
Chara『やさしい気持ち』
葛城ユキ『ボヘミアン』
AI 『Story』
男性では、低音で重厚感があると、
老成した、威厳のある、渋い、
人生経験が豊かそうな印象を受けます。
ヤクザの親分のように、
ちょっと怖い印象もありますね。
高さ、柔らかさ、繊細さが加わると、
森本レオさんのようなあたたかく優しい声や、
サイモン&ガーファンクルや秦基博さんのような
透明感のある、癒し系の声になります。
サイモン&ガーファンクル『サウンド オブ サイレンス』
秦基博 『ひまわりの約束』
https://youtu.be/KMImm23W-2A
自分の声の魅力をきちんと認めよう!
というわけで、整数次倍音、非整数次倍音の印象について
ざっと説明させて頂きましたが、
どちらも魅力的な声の個性の源です。
もちろん高さ、重さ、テンポなど、
声の個性を構成する要素は他にもたくさんあります。
だからこそ千差万別の声が存在しているのですね。
声に悩みを抱えている方も、
方向性を模索している方も、
自分らしい声と向き合う手掛かりにして頂ければ幸いです!