2021年も終わりに近づきました!
今年はいかがだったでしょうか?
来年に向けてはなにしましょっか?!
私はちょうど先日結婚記念日でした。
出会って24年半、
結婚して丸19年、
一緒に歌って24年半。
その間で、
一波乱も二波乱もヤバい時期もありましたし、
サラリーマンから整体師へ転向し、
さらに声一本へと進んできました。
たくさんの出会いがあり、
考え方も生き方もゴロゴロ変わってきました。
ただそれは、新しいものを足し続けてきたからではないです。
これまで気づかずにやってきたこと、
いままで忘れていたこと、
いままでは嫌だなと思っていたこと、
いままでは役に立てられなかったもの…
これらを思い出すこと。
執着していたこと、
捨てるのが怖かったこと、
見たくなくて逃げてきたこと、
辛くて目を背けてきたこと…
これらと向き合うこと。
それを繰り返しながら
人生が少しずつ進んできた…
そんな感覚です。
気づいたらめっちゃ仲間にも恵まれて、
面白い場所に辿り着けてるじゃんか〜
って感じですね。
ありがとうございますっ!
さて!
そんななかで声のことはずっと探求してきたのですが、
声というのは物理的な声のことだけじゃないです。
『心の声』
ってのが本当に重要だったんですよね。
心の声に耳を澄ませること。
本当にやりたいこと、大事なことを思い出すこと。
本当にやりたくないことから離れること。
心の声に従って生きること。
ことあるごとに
『心の声』と向き合う習慣をつけたことは
マジで過去の自分たちグッジョブって感じですね。
で!
今日は『心の声』に従って生きる(行動する)
ってことにめちゃくちゃ良い作品をご紹介します。
何年か前にもご紹介したことがありますが、
改めてその時の記事を読んでみたら
めちゃくちゃ今こそ大切だなって思ったので!
ということで、
今日のオススメの一本!
それはアンパンマンの
『ブラックノーズと魔法の歌』
です。
『アンパンマン?幼児番組じゃん?』
と侮ることなかれ!!
めちゃくちゃ深くて
メッセージ性も高い作品なんですよ。
マジで泣く。
あらすじから見所まで紹介してきますね!
これ・・・カーナっていう女の子が
主役の映画なんですけど・・・
…重っっったいわ!!( ゚д゚ )
こんなん子供に見せるんかいーーーーー?!
って感じなんです。
Wikiの作品紹介にはこうあります。
カーナは、カナリアの雛鳥の化身である女の子。彼女は、嵐の夜に「暗闇の森」へ飛ばされ、闇の女王・ブラックノーズによって人間の姿に変えられ育てられた。
ある日、ブラックノーズの命令でアンパンマンワールドにやってきたカーナは、「暗やみの笛」を吹いて人々から幸せな気持ちを奪ってしまう。
「歌やダンスや美味しいパンは間違った幸せだ」と教えられ育って来たカーナ。自分が彼女に騙されていた事に気付いた時には、世界はブラックノーズによって暗闇の世界と化していた…。
あのね・・・。
カーナちゃんはブラックノーズっていう
魔女に『自分が復活するための道具』として育てられたんですよ…。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
で、
歌うこと、楽しむこと、美味しいものを食べる・・・
そんなのは間違った幸せなんだ。
そういうのをやめることが幸せなんだ。
って言う価値観をすり込まれて
生きてきたんです。
奴隷洗脳です。
だから楽しむとか論外だし、
食べるのは栄養補給のためだけの
クッソ硬そうなパンだけとか。
とにかくなんだその重重設定はって感じです。
なんですけど、
カーナちゃんの中では
お母様は絶対の存在。
お母様のために・・・
これが至上命題なワケです。
それで、
長年封印されていた
お母様(ブラックノーズ)の
封印を破るためにカーナちゃんは
地上に出てきて、
アンパンマンたちと過ごすことになります。
そしてあることをしていくのです。
それは、
音楽で人々の幸せを奪う
ことだったんです。
ブラックノーズを復活させるためには
人々から幸せを奪う必要があるのです。
人々から幸せを奪う、、、
そのためだけの音楽を奏でる楽器が
『くらやみの笛』で、
カーナちゃんだけがこれを吹けるんです。
夜になるとカーナちゃんは
黒い翼で空を飛び、
高い樹の上に立って、
くらやみの笛を吹きます。
物悲しい旋律と共に(名曲なのだが、、、)。
この笛の音が寝ている人々の心の中に
暗示のように入り込んできます。
映画では
音楽が黒い音符として視覚的に見え、
寝ているキャラの中に吸い込まれていき、
苦しそうな顔になっていきます。
で、朝起きると夢も希望も無くなっています。
あのやかましい丼モノ3人組ですら
『ミーのカツ丼が一番マズいデース・・・』
とか言い出す始末です。
(カツどんまんのテーマはオススメです!テンション高い!超上手い)
カーナちゃんは昼間は
アンパンマン村?の幼稚園とかで
いつもアンパンマンをむさぼるカバオくんやら
ミミ先生やらと過ごしています。
が、カーナちゃん価値観は
歌うこと=悪
ダンス=悪
美味しいもの=悪
楽しいと感じること、
幸せを感じることはすべて
間違った幸せなのだと
ブラックノーズに教えられて、
それを信じてきました。
だから、いつも一人で歌おうともしないし、
焼き上がった美味しそうなパンとかも
食べようとしないんです。
食べるモノは『栄養補給のため』なので、
ボソボソで硬そうなパンを
かじるのみです。
で、昼間は何食わぬ顔でみんなと過ごし、
夜な夜な『くらやみの笛』で
人々を鬱病にしていきます。
そんな中、
作中で愛が溢れて止まらない
メロンパンナちゃんや、
愛と勇気が友達のアンパンマンと
話したりして、
だんだんと違和感を覚えるようになってきます。
『あれ?この人たち、本当に幸せそうじゃない…??』
歌うことも、ダンスも、
美味しいものを食べることも、
ぜんぶ間違った幸せのはずじゃなかったの…??
交流していくことで
自分の中にあたたかい感覚が生まれていることに
気づくんです。
ここから葛藤が始まります。
お母様に教わってきた幸せの価値観と
いま、目の前にいるみんなの姿、
自分の中にかすかに感じるあたたかさ。
『歌うこと、踊ること、
美味しく食べることは良いことなんじゃないの?』
『じゃあ、私がやっていることは・・・?』
あるとき
アンパンマンと二人で話しているシーン。
これがまた名場面でね〜。
で、アンパンマンが言うんです。
「ボクだけじゃないよ。
ボクにできることは顔をあげることだけど、
誰でも、誰にでもできることはあると思うよ。
誰かのために、ほんの小さなことでも」
そこでカーナちゃんはひとつの
考えにたどり着くんです。
それが
『歌うことも踊ることも、
美味しく食べることも良いことだったんだ!』
『みんなはもう幸せだったんだ!』
『くらやみの笛なんて吹かなくても幸せになれるんだ!』
『お母様にも教えてあげよう!』
『そうすればお母様も幸せになれる!』
ってこと。
カーナちゃんヤベぇ!!
そこに気づくとは、やはり天才か・・・。
これまでの自分の価値観と全く違う考え方に触れて、
自分の目で見て、体と心で感じた上で
真反対の考え方を受け入れて、
そいつを受け入れちゃうんですよ。
しかもしかもですよ?
『自分の愛するお母様の幸せ』と
『新しい世界に住んでいる友達との幸せ』
を同時に叶えようとしているんです。
(まだ自分の幸せには気づいてない)
こういうのを対立する
二つの概念を同時に満たす概念のことを
止揚(アウフヘーベン)っていうんですけど、
これだよ・・・!
カーナ、恐ろしい子!
それで、カーナちゃんは
これできっとお母様も幸せになれる!
と思って、ブラックノーズの元に戻ります。
それで感じたこと、思ったことを伝えます。
それをブラックノーズは優しい声で快諾。
これはヤバいフラグ満載です。
で、言うんです。
『最後にいちどだけその笛を聞かせておくれ』
あ、それヤバいやつ。
でもカーナちゃんは
『これでお母様もみんなも幸せになれる!』
と嬉しいので気づきません。
で、吹くんです。
くらやみの笛を。
すると登場。
はっひふっへほー!!
キタ━(・∀・)━!!!!
ばいきんまん!
もちまえの科学力で
その笛の音を吸収し、
100万倍にして全世界にばらまきます。
洪水のように溢れる黒い音符。
一気に崩壊していく世界。
カーナちゃん呆然。
ブラックノーズ驚喜。
『やめてください!お母様!』
と懇願するカーナちゃんに
ブラックノーズは驚くべき事実を明らかにします。
カーナちゃんはもともと鳥で、
ブラックノーズが魔力で人間に変えて育てたんだ、と。
そして告げます。
『オマエを育てたのは私が復活するためだ』
『オマエは道具なんだ』
と。
なにそれ重っ!!( ゚д゚ )
それまで信じてきたすべてが
ガラガラと崩れ去る瞬間です。
さらっと描かれてますが、
絶望過ぎるだろ・・・。
ブラックノーズは復活し地上へ。
暴れ回ります。
そしてアンパンマンたちとの
戦いになるのですが、
やっぱり大苦戦。
関係ないですが、
ブラックノーズの声が
ドラゴンボールの悟空と同じ野沢さんなので、
喋るたびに悟空がちらつきます。
で、ここはだいたい似たような流れなので、
はしょりますが、絶体絶命のピンチになります。
途中で、自責の念にかられた
カーナちゃんも戦いに加わるのですが、
生きもののように動く樹のようなやつに
みんなと一緒に囚われてしまいます。
そして例によって頭がアレで力が出ない
アンパンマン。
もうダメかと思われたその時・・・!!
『私のせいだ・・・!なのに私には何もできない・・・』
と思っていた思っていたカーナちゃんに
アンパンマンとの会話が思い出されます。
『誰でも、誰にでもできることはあると思うよ。
誰かのために、ほんの小さなことでも』
そこでカーナちゃんがやったことが
歌うこと
だったのです。
決して歌ってはいけなかった歌。
悪いこと、間違った幸せの象徴だった歌。
目を閉じ、意を決し、声を発したのです。
『そうだうれしいんだ いきるよろこび
たとえ むねのきずが いたんでも』
その歌にメロンパンナちゃんが声を合わせ
二重唱となり、さらにみんなの声が合わさって
大合唱となっていきます。
ブラックノーズは悟空の声で『やめろ!』と
叫ぶのですが、合唱はどんどんひろがっていきます。
ばいきんまんも一緒に歌っています。
歌は闇を照らす光となり、
世界中に広がっていき、
ブラックノーズは消滅してしまいます。
そして、世界は光を取り戻しました。
カーナちゃんが歌い出したところ…
鳥肌たちました。
闇を抱えて生きていたカーナちゃん。
最悪のアイデンティティクライシスを乗り越え、
新しい世界に踏み出した勇気。
それが伝わり、広がっていった。
ここで泣いたね(T-T)
これを歌い出したのが
メロンパンナちゃんだったら
そうならないわけです。
彼女はもとから愛の化身なので。
そうじゃなくて、
価値観の違和感を受け入れ、
闇を抱えて悩み苦しんだ末に
自分の中の光に回帰していった。
『ずっと歌いたかった・・・』
カーナちゃんが雛だった頃、
母鳥と一緒に過ごしていた頃、
そこは歌に満ちていた。
その光の記憶を思い出して、
そこに回帰していったこと。
闇から光へ。
自分自身の固定観念を打ちこわし、
自分の心の叫びに従って行動し、
現実を変える。
これがどれほどの恐怖をもたらすか…。。。
綺麗事だけでは絶対に向き合えないほどの恐ろしさです。
その恐怖と正面から対峙し、
乗り越えた。
だから震えるような感動が生まれた
と思うんですね。
・・・で、劇中はここまでなのですが、
もし続きの物語があるとしたら…??
闇→光
という単純な話ではなく、
おそらくカーナちゃんには第二第三の試練が
やってくるときがあると思うんです。
それが『闇だったときの記憶』です。
ブラックノーズに育てられていたときは
闇の時期です。
洗脳されていたことは確かですし、
お母様のためと心から思っていたとはいえ、
世界に暗闇の音を奏でてきたこと、
人々の幸せを奪ってきた過去は事実なのです。
そして、
歪んだ愛情だったとはいえ、
ブラックノーズへの想いもあったでしょう。
それを消しさることはできないのです。
いや、消し去ってはいけないんです。
おそらくカーナちゃんはこの後、
何度も自分自身の闇と向き合う出来事が
起きるのだと思います。
そしてその度に、
闇と対峙しながら何度も何度も
『私は歌いたかった』
という自分の原点に戻ってくるのだと思います。
そして、いずれは
光と闇を同時に併せ持つような
存在になっていくのだと思います。
暗闇の時代があったからこそ。
カーナちゃんだけが紡げるストーリーです。
何回見ても同じところで
やられるんだよなー。
くそっくそっ(笑)
『ブラックノーズと魔法の歌』
オススメの一本です!