声のマトリクス!「自分だけの声の魅力」を形作るもの

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私たちは音楽を「音程」や「リズム」などで聞き分けますが、
ピアノの「♪ド」
ギターの「♪ド」は、
同じ「♪ド」なのに違う音に感じます。

例えば同じ言葉を耳にしたときも、
男女の差は勿論分かりますし、
同性で同じ年齢の友達の声であっても区別が付きますよね。

ということは

どうやら「音色」や「声色」というものは、
単純な音程やリズムだけで成り立っているものではないらしい……

おそらく誰しもが1度は疑問に思ったことがあると思います。

声の個性や魅力は一体どこから生まれているのか?

その本質を紐解くべく、
「声のマトリクス」シリーズ
として解説していきたいと思います!

【マトリクス(matrix)】
発生・形成・発展のもととなる母体、何かを生み出すもの。

1つの音は複数の音で出来ている!?倍音の不思議!

「笛の音色ってなんだか物悲しい……」とか、
「サックスの音色は迫力があって心躍る!」と思うのは、
メロディのほかに、楽器の音そのものに個性を感じているからですよね。

他人の声に対して
「あの人、いい声してるなぁ〜」
と思ったこと、ありませんか?

それについて「なぜいい声だと思うの?」と訊かれても、
なんとも言葉では説明できない。
Feel、そう感じただけとしか言いようがありません。

しかし、

音色そのものに、
印象を与える「何か」が含まれている

ということは確実ですよね。

さて、それでは音色には一体何が含まれているんでしょうか?
楽器や人の声にそれぞれ個性があるのはなぜなのでしょう?

「ド」の音を分析すると、
実は「ド」以外の音も複数同時に鳴っている
んです。

これを「倍音」と呼びます。

ドはドじゃないの?と不思議に思いますが、
その音をよ〜〜〜〜く聞くと、
複数の音たち(倍音)が混じり合って音を作っているのです。

もっとも強く鳴っている音は『基音』と言い、
かすかに鳴っている音を『倍音』と言います。

人間の耳の可聴域を超える音や、
聞き取れないほどに小さな音なども混ざっているのです。

ちょっと難しい話になるかもしれませんので、
息抜きの動画をご紹介しますね!

唯一無二の楽器?!ちくわ!

この「ちくわ」という楽器(?)の音色にも倍音が含まれ、
ちくわとしての唯一無二の音を奏でているわけですね。

それにしても美しい音色ですよね。
ギャップがスゴいです(笑)

なお、ちくわはフニャフニャしているので、
微妙な音程(ピッチ)調整が可能で、
これは他の笛楽器の追随を許さない特徴になってますね。
※そもそもちくわは食べ物だよ!という話もありますが(笑)

誰も出していないはずの高音が聞こえる

「天使の声」というものをご存知でしょうか?
合唱で、ある和音をキレイにハモると、
誰も出していないはずの高音が聴こえるという現象です。

古来、まだ今ほどに音の不思議が解明されていなかった頃、
空から降って来るようなその不思議な声を、
天使の声と呼んだのだそうです。

すべての音は、周波数の異なる音波の組み合わせで構成されていて、

含まれる倍音が多ければ多いほど
音色は明るくなると言われています。

倍音を手っ取り早く聞いてみたい!という方は、
ディジュリドゥの音色や、
モンゴルの伝統歌「ホーミー」を聞いてみるのがおすすめです。

周波数の高い倍音を含んだ音は鋭くはっきりとしたよく通る音、
周波数の低い倍音を含んでいる音は太くて重たい音になります。

例えば、シンバルの音は言葉で表すと「シャーーン!!」といった感じですが、
この音はきわめて多くの高周波の倍音によって成り立っています。

楽器の音色、人の声、手を叩いた音、風の音、足音、吐息に至るまで、
自然界に存在するあらゆる「音」の個性は、
含まれる倍音の量や成分、種類、バランスによって構築されているわけですね。

倍音にも種類がある!「整数次倍音」と「非整数次倍音」

さて、倍音をさらに詳しく見ていくと、
「整数次倍音」「非整数次倍音」の2種類に分かれます。

2倍、3倍、4倍……と整数で割り切れる倍数の倍音は「整数次倍音」
雑音が少ない、硬く、ハリのあるクリアな音、
高次であればギラギラとした音に感じると言われています。
クラシックや、聞き取りやすいアナウンサーの声などに多く含まれます。

整数で割り切れない、不規則な振動によって生起する倍音を「非整数次倍音」と言い、
こちらは自然界の雑音や金属音に多く含まれ、
親密性を感じさせる、本能に訴えかけてくるような、
情緒性のあるガサガサした音と言われています。

例えば内緒話のコソコソ声や、ハスキーボイスが当てはまります。
楽器ではシンバル、尺八や三味線など。

2つの違いを例えれば、「クラシック」と「メタル」、「ボールペン」と「筆」の違いのような感じでしょうか。
歌や声について感じる印象は、この「どんな倍音がどれくらい含まれているか」によって変わって来るわけですね。

【整数次倍音が多く含まれる声】
郷ひろみ、浜崎あゆみ、松任谷由実、黒柳徹子、タモリ、COCCO、ジョン・レノン、ボブ・ディラン、小田和正、いきものがかり、中島みゆき、Superfly、西川 貴教

【非整数次倍音が多く含まれる声】
明石家さんま、ビートたけし、平泉成、大滝秀治、堺正章、桑田佳祐、森進一、CHARA、UA、宇多田ヒカル、山崎まさよし、AI、平原綾香、さだまさし、葛城ユキ

これらはハッキリと分かれるわけではなく、
マイケル・ジャクソン、美空ひばり、森進一、都はるみ、など、
巧みに使い分けている方々もいます。

ともあれ、倍音や高低差という声の特徴によってカテゴライズすることで、
それぞれの魅力を大まかに分類することができます。

「自分だけの声の魅力」に気付くきっかけになればと思いますので、
次回、より詳細なカテゴリー分けをしていきたいと思います!

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