【声のタイプ別診断】『愛』老成した賢者の風格

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約7分

声って、記憶と結びついているんです。
以前、こんなお話を聞きました。

とある場所で聞こえた声に
なぜか懐かしさを覚えて
おそるおそる話しかけてみたら
その人は30年前の担任の先生だったんだそうです。

顔も覚えていなかったし、
声の調子も変わっていた。

なのに、記憶の底で覚えていた。
懐かしさがよみがえってきた・・・。

連載しているこの『声の魅力マトリクス』は
声の持つ不思議な力について、
そして、声を通じて自分自身を深く知るために
活用していただければと思います!

さて、今回のテーマは【愛】の声です。

【愛】は、非整数次倍数が多く含まれ、
かつ低めのハスキーボイスです。

経験豊かな人間味が感じられる深みのある声で、
成熟した印象を与えます

同時に、包み込むような魅力があり、
率先して意見を述べずとも重きをおかれるような、
人を包み込むような声と言えるでしょう。

【愛】はさらに「艶」と「渋」の2つに分かれます。
詳しい解説をしていきましょう!

深みのあるセクシーな「愛艶」の声

例:UA、加藤登紀子、AI、美輪明宏、葛城ユキ、福山雅治、平原綾香、鬼束ちひろ

【愛】の中でも、情熱を内包する声は
『愛艶』と分類できます。

耳に心地よい重さと振動を持った声で、
ジャズやシャンソン歌手などにも多く見られます。

はつらつとした明るさや爽やかさとはひと味違い、

吐息にまでその人の魅力がぎゅっと凝縮されて
包み込まれている、情熱の中にも落ち着きのある、
例えば「セクシーだ」とか「恰好いい」といったような、
本能的に人を魅了する声です。

情熱/UA

深みがあり、奔放で魅力的な歌声のUAさん。
力強く情熱的な声で、遊ぶように歌うライブは
たくさんのファンを魅了し続けています。

しなやかでありながら濃厚で、
苦みと甘みを凝縮したような声が、
溢れる才能を感じさせます。

ボヘミアン/葛城ユキ

https://youtu.be/9CtphqqzDwM

 

魂が震えるようなシャウトと形容される、
情熱的で恰好いいパワフルボイスの葛城ユキさん。

聞いている方が気持ち良くなるような魅力的な声です。

非整数次倍音を多く含む音は、
ダミ声とか、しゃがれているとか形容されることもありますが、
そのノイズこそがその人らしい魅力的な声の欠かせない要素なのです。

「艶」タイプの声は、心を掴んで離さない
魅力的な想い人のようなイメージです。

例えば同じ内容のニュースを聞く場合にも、

「勇誠」のような低くてクリアな声であれば
「聞きやすく信頼できる」と思うでしょうし、

「親爽」の声であれば「優しくて安心できる」と感じるでしょう。

「艶」タイプの声は、理由もなく
「この人の声、いいなあ〜」
と本能的に思ってしまうような魅力を持っています。

『愛艶』に該当する一般的な人の声は、
一言で表せば、深みのある魅力的な声と言えます。

とにかく声そのものに魅力が感じられるタイプで、
話を聞きたい、声を聞きたいと思われやすく、
言葉をしっかりと相手に受け止めてもらうことができます。

男女共にセクシーでミステリアス、
恰好よくて魅力的と思われるタイプですが、
発言を大げさに汲み取られ、
思わぬところで周囲に影響を及ぼすこともあるでしょう。

愛艶ならではの声の特徴

【声から伝わりやすいプラスの印象】
・深みがある
・セクシーで魅力的
・人生経験豊か
・包容力がある

【声から伝わりやすいマイナスの印象】
・不機嫌そう
・気分屋
・否定的

【抱えがちな声の悩み】
・クリアな声が出ない
・目立ちすぎてしまう
・声が低すぎる
・軽やかな声が出ない
・聞き取りづらい

穏やかで貫禄のある「愛渋」

例:中尾彬、竹ノ内豊、夏木マリ、釣瓶、五輪真弓、渡辺謙

【愛】の中でも、低く落ち着きのあるタイプは
「愛渋」と分類できます。

老成した貫禄と知性が感じられる、
リーダーと言うよりも親分、
重鎮のようなイメージです。

何事にも動じず、無責任な発言はしない、
言葉のひとつひとつに重みがある印象を持たれます。

力強さが加われば渋く重厚な声に感じられ、
囁くような声の場合は、諭されるような、
懐かしいような、目上に感じられる声です。

危険ドラッグ乱用防止CM/中尾彬

https://youtu.be/TQB_39GY7lw

 

貫禄のある声といえば中尾彬さん。

「ドスの効いた声」という表現もありますが、
相手が恐れおののいてしまうような、
老成した重鎮のような声です。

説得力のある声ですが、
人を納得させるような声というよりは、
思わず従ってしまいそうな、
格上感にあふれた存在感がある声ですね。

2000 JRA CM 「年頭」編/緒形拳

老成した賢者のような雰囲気を醸し出しているのが
渡辺謙さんの声です。

低く、息混じりで落ち着いた声には
一言一言に人生の重みを感じさせる響きがあります。

NHKとBBCのタッグで制作されたドキュメンタリー
プラネットアースではナレーションとして
美しくも厳しい世界観を表現してくれていました。

 

 

「愛渋」に該当する一般的な人の声は、
一言で表せば、渋くて貫禄のある声と言えます。

常に率いて欲しいリーダータイプというよりも、
煮詰まったときにとても重要な言葉をくれるような、
いざというときに重い一言を発するような、
頼れる親分タイプです。

普段の口調で話していても、
怒っている、不機嫌だ、と誤解されがちですが、
発言を重んじられるため、
重要なことが伝える役回りに向いています。

女性であれば厳しく公平な先生、
男性であればどっしりと構えた親分、
といったイメージです。

【声から伝わりやすい印象】
・貫禄がある
・動じない
・知識豊か
・面倒見が良い

【声から伝わりやすいマイナスの印象】
・怖そう
・気難しそう
・感情表現が少ない
・元気がなさそう

【抱えがちな悩み】
・大きな声が怒鳴り声になる
・優しい声が出ない
・明るい声が出ない
・ボソボソ声で良く聞き返される
・機嫌が悪いと誤解される

封印型【愛】タイプが陥る罠

外に向かうエネルギーが多い【輝】と【勇】と比べて
内なる自分にエネルギーを向けるのが【愛】と【親】の特徴です。

特に【愛】タイプは
性格的にも内的な世界を重視し、
人と接するときも調和を重んずる傾向が強いです。

声が低くハスキーであることから
声が不明瞭になりがちで、
ともすると

・やる気が無い
・何を考えているか分からない
・機嫌が悪そう
・なんか怖い

と誤解される場合もあります。

こういう経験で苦い思いをしたことがある
【愛】タイプの人では

・人への印象を良くしたい
・機嫌悪く取られて場を乱したくない

というような思いから
持ち前の低音ハスキーボイスを封印して

喉を締めてムリヤリ芯のある声を出したり(偽勇)、
裏声を使って高い声を出したり(偽親)

として生活している人もいます。

本来の自分の声の特徴を拒否して、
別の声を装っているので、
どうしても無理が生じて悩む方もいます。

一時的であれば大丈夫なのですが、
10年20年と長期にわたって本来の自分の声と
違う響きを出し続けているために
気づけなくなってしまっている場合もあります。

【愛】ボイスは化ける?!

また【愛】タイプの声は最も高い
ポテンシャルを秘めているとも言えます。

低い声の人が高い声を出すことは可能ですが、
高い声の人が低い声を出すことは困難(か不可能)ですし、

ハスキーボイスの人が声の芯を獲得するのはやりやすいですが、
芯が強い声の人がハスキーにするのは難しいのです。

声の魅力が発揮されるまでに時間がかかるかわりに
実践次第では【輝】【勇】【親】すべてを内包できる・・・。

そんな可能性を持っているのが
【愛】ボイスなのですね。

川の流れのように/美空ひばり

というわけで、今回は【愛】でした。
次回は最後の【親】をお送りしますね〜。

分類のまとめ記事はこちらからどうぞ!

『あなたの声』だから感動が生まれる
- 声が変われば人生が変わる

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