喋りたいのに伝わらない!聞き返されるのが怖い!病気で失った本来の声を取り戻す方法

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 「声」は、十人十色と言うように、自分が自分であることを示す大切なものであり、人とコミュニケーションを取るためにも必要不可欠なツールです。当たり前のように毎日使っている「声」が、何らかの原因で失われてしまったとしたら、その悲しみは想像を遥かに超えるものでしょう。

事故の後遺症や脳の病気によって、声が出にくくなった、呂律が回らなくなった、発音が不明瞭になってしまった、そして病院では治しようがなかった……様々なリハビリをやり尽くして、「失ってしまった声は取り戻せない」と思っている方にお伝えしたいのは、「まだ諦めないでください」ということです。実際に、脊髄小脳変性症を患った方の声が劇的に改善したというケースもあるんです!

声の障害って、どんなものがあるの?

声のかすれや声が出ない症状を「発声障害」、正確な発音が正しく行えない症状を、「構音障害」と呼びます。発音ばかりでなく、呼吸、発声、共鳴、リズムなども障害され、聞き手にとって非常に判りにくい発話となります。構音障害は大きく下記の4つに大別することができます。

1.器質性構音障害

 口、咽喉、鼻、顎、舌など、発声器官に問題があるものです。腫瘍や炎症、先天性の形成異常、欠損、怪我による損傷などによって引き起こされます。

2.聴覚性構音障害

聴覚に障害がある場合、正しい発音が聞き取れず、結果として発音を理解することができない場合に、聴覚障害の二次的な問題として起きる構音障害です。

3.機能性構音障害

器質性、運動性、聴覚性に問題がなく、かつ知能などに医学的な問題が見られないにも関わらず発生する構音障害です。原因は不明であることが多く、「り」「き」「し」「ち」が言えない、サ行やカ行がうまく言えないといった「ひずみ型構音」や、「お母さん」を「お母たん」「お母しゃん」といった風に、特定の音を別の音と置き換えてしまう「置換型構音障害」などがあります。これらは幼少期から発音を習得する過程で発音方法を誤ったまま覚えているという場合も多々あり、近年では「発音の習慣的誤り」とも呼ばれます。

4.運動障害性構音障害

 

音声器官を司る運動機能に問題があるものです。脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、クモ膜下出血、脳梗塞、脳出血、脳卒中、パーキンソン病などの病気は、運動障害性の構音障害と、下記の症状または後遺症をしばしば引き起こします。

・声がかすれる
・呂律が回らない
・声量が少なくなる
・鼻にかかった声になる
・弱々しい声になる
・思ったように声が出ない
・メリハリがなくなる
・飲み込む動作がうまくできない

発声器官そのものに問題がないのに、なぜうまく話せなくなるのか不思議に思うかもしれませんが、人間が「言葉を話す」という動作をするとき、脳の中では言語領域を司る「言語中枢」と、運動領域を司る「運動中枢」の両方を使用しているんです。言語中枢は、話したいイメージを言葉に当てはめ、運動中枢に伝える役割を担っており、それを受け取った運動中枢が、口や舌などの部品を動かす命令を出します。

なので、脳に障害が発生した場合、末梢神経や筋肉にダメージが生じ、声帯、舌、咽喉、顎、唇などの発声器官に対してスムーズな命令を与えることができなくなります。つまり、部品に問題はないけれど、部品を動かすための司令部に問題があって、正しい発音が阻害されてしまうんですね。

病気の後遺症として構音障害が残ってしまった場合、精神的なストレスともどかしさを感じ続けることになります。疾患そのものの治療が優先されてしまうため、構音障害の解決については後回しにされがちです。「病気で命を落とさなかっただけ良かったんだ、声くらい仕方ない」と思い込もうとする方もいらっしゃいますが、「声を取り戻したい」と思うことは、贅沢でもわがままでもないということだけは、知っておいて頂きたいです。

諦めないで!声を取り戻し、正しい発声方法を身につけよう

声を出すための部品は正常なのに、うまく話せないなんて悔しいですよね。今までハキハキと話していたのに、と、自分の声の変化に驚いて、落ち込んでしまう。当たり前のように会話していた家族にも、満足いく言葉が伝えられず、自分では正しく話しているつもりなのに聞き返されるようになってしまった、喋ることが怖くなってしまった……そんな日々を過ごした結果、どうにか話そうとして、知らず知らずのうちに間違った発声方法を習得してはいませんか?

自分なりに出しやすい声をなんとか出そうとして、高い裏声を出し続けるなど、以前とは違った発声法が癖になってしまっている場合もあります。これ以上聞き取りやすい声を出すのは無理なんだ、と諦めている方。顔の筋肉を動かす訓練や、リハビリを受けても一向に改善しなかった、という方。どうか諦めないでください。

視点を変え、あなたが元々持つ「地声」を引き出し、最大限まで活用することで、改善の余地があるんです。動画で詳しく説明させて頂きますので、ご覧下さい。

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