高音発声の方程式

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先日メルマガ内で発声に関するアンケートを実施しました。

 

その中で半数以上の方から関心を寄せられていて、
かつ声の悩みにも多く挙がっているのが

 

『高音発声』

 

です。

 

来たー!
やっぱ高音出したくなりますよね~。

 

高音発声の要望は非常に多いですね~。

 

・高音が出ない
・喉が枯れやすい
・音程が悪い
・声が暗くなる
・長時間歌えない
・朝イチで声が出ない

 

こういう問題はすべて高音発声と関連してます。

 

高音発声って要は

『声帯のポテンシャルを引き出した状態』

なのです。

 

だからまぁムズいっちゃームズいのは当然です。

 

 

私が高音発声に一番最初に苦戦したのは、1996年の大学1年のときでした。

 

私がいた混声合唱団は定期演奏会でプロのオーケストラと共演していて、
ミサ曲を歌うってのが通例でした。

 

で、そんときの演目が、
アントン・ブルックナーって人のミサ曲ヘ短調ってヤツだったんですけど、
こいつがなんていうの?

 

肉体派?(笑)

 

オケ100人超えのバカでかい編成の曲で超大変だったんですよ~~。

 

で、そのときの1曲に

 

高い『ソ』の音を15秒くらい出し続ける

 

って箇所がありました。

 

▼これだよ・・・(´Д`)

 

もう、これが辛いのなんの!!

で、当時のパートリーダーさんが言うんです。

『地声で張れ!!』って。

 

張りましたよ、もちろん。素直だったんで(笑)
討ち死にしましたけど。

 

 

当時の私は喉が超硬くて、キンキン声しか出せなかったし、
そもそも高い音は張り上げるもので、気合い入れれば出るものだと思っていました。

 

まぁ~~~、どんどん出なくなる(笑)
練習するほど枯れてくる。
さらに音程も悪くなっていく。
喉が痛くなってくる。

発声が崩れてくる。

声が出づらくなるので、
さらに練習する。

ボイトレの回数を増やす。
根本的に力んでいるので、
さらに力み発声が崩れる・・・。

 

悪循環じゃーーーん!!

 

 

思えばここが喉締め発声の癖がついた元凶かもしれません( ゚д゚ )

この癖が解消するのにまさかその後17年以上かかるとは
当時の私は知る由もなかったのである。。。

 

 

 

で!

 

 

実は、高音発声には方程式があるのです。

 

それがこちら!

 

< 高音方程式 >

高音=声門閉鎖力×声帯伸展力×呼気力

 

この3つの力がかけ合わさって高音を実現しています。

 

ちょっと補足しましょう!

 

●声門閉鎖力

要は地声ですね。

ダブルリード楽器である声帯は2枚のヒダが近づいて震えて音が鳴ります。

ヒダが適切な距離でキープ出来てると
息が流れたときにベルヌーイ力で勝手にくっついて勝手に声が出ます。

そのへんはベルヌーイ発声法をご参照。

高音発声には声門閉鎖する力が不可欠なのです。
力強く声帯がくっつき合うことで強い呼気圧にも耐えきり、
高音を発するための密着度を実現します。

 

 

●声帯伸展力

声帯伸展力ってのは裏声の力ですね。
声帯ってゴムのような性質も持っています。

ゴムを弾きながら伸ばすとだんだん音が高くなるのと同じように、
地声で発声しながら声帯をびよ~んって伸ばすと音高くなります。

高音発声に裏声は必須。

 

 

●呼気力

呼気力ってのは呼気圧とブレスコントロールです。

高音発声のためには声帯がかなり強く密着してますので、
そいつに抵抗するように息も強く吐く必要があります。

トランペッターさんが唇と呼気圧を利用して
音程を操作しているのと同じように高い音出すなら高い呼気圧が必要です。

疲れる(笑)

あと、この呼気圧も適切な強さがあるので、コントロールもしたいところですね。

 

 

 

って感じです。

 

 

いまから高音発声習得するぜ!!

って人の場合、
こういうのは全部一気にやらないでバラバラに分解して理解体得して、
後でくっつけるのがオススメです。

 

 

学生時代にいまのノウハウがあれば苦労することはなかったんですが、、、(´Д`)

 

まぁ、でもそしたら
確実にこういう風に声の研究とかしてなかったでしょうね~。

 

クソ悩んだからこそ到達できることってホントいっぱいあります・・・。

 

 

 

ということで!

 

思った以上に『高音』については要望が多かったので、
これからもう少し掘り下げていきたいと思います。

 

 

一口に高音発声といっても、
これって
『単に高い声が出るようになる』
だけではないです。

 

高音発声は余裕を生みます。
今までの最高音が全力じゃなくても出るようになるのです。

 

これは超安心です。

 

声を出すことに全力出す必要がないので、表現力に力を注ぐこともできる。

 

同じ100キロを出すのでも

軽自動車なのか?
3ナンバー車なのか?

ぜんぜん余裕が違うってわけですね!

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