【名曲紹介】私とワルツを(鬼束ちひろ)

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約4分

もうね、この曲大好きすぎる。

ワルツとは、

四分の三拍子の軽快・優美な舞踊曲。円舞曲。また、それに合わせて踊る社交ダンス。

初めて聴いたの確かもう12〜13年前だと思うんだけど、
ぜんぜん色褪せない。

とにかく私は鬼束ちひろさんの
世界観やサウンドがすごく好きだ。

はじめて買ったアルバムは『インソムニア』なんだけど、
それは学生時代の生協だったなー。

店内で流れていた彼女の代表曲『月光』に
頭をガ━━(;゚Д゚)━━ン!!とやられて

「この曲は何ですか?!」

って聞いてそのまま購入したのが始まり。

 

 

そのときの衝撃をもう一度感じたのがこの
『私とワルツを』だ。

もうね、メロディーや和声進行が
神懸かってるんですけど、

改めて歌詞を読んでみると
昔は分からなかったことに気づく

優しいものは とても怖いから
泣いてしまう あなたは優しいから

っていう印象的な歌詞が
何回も何回も出てくる。

これ、つまり

優しいもの = 怖いもの
あなたは優しい = あなたは怖い(がっている)

ってことだし、

誰にも傷がつかないようにと
ひとりでなんて踊らないで

というところからは、
『あなた』が

誰かを傷つけたくないから
人と自分に一線を置いて
ひとり孤独に踊っている(生きている)

って言ってたんだってことが分かる。

でも、本当はそんな風に
『誰かを傷つけたくない』
って言っているあなたが一番傷ついていて
怖がっていて不安で
飛び立てないで凍えている。

それを『わたし』は知っているのだ。

不思議な炎に焼かれているのなら

というコトバも、
『不思議な炎に焼かれた苦しみで身もだえている」
姿を『踊っている』と表現していたんだよな。

だから『私』はそんな『あなた』の姿を見ているのが辛いし、
『あなた』は『あなた』の幸せを見つけてほしい。

炎に苦しみながら踊るのではなくて、
私とともに軽やかに優美(ワルツ)に生きて(踊って)ほしい。

 

そんな願いが込められた
歌なんだろうなぁって思った。

 

 

ただ改めて考えてみると
私の感覚もだいぶ変わってきてる。

結局
『あなた』は『あなた』だし
『わたし』は『わたし』
にしかなることはできない。

だから

『あなた』は『あなた』の通りに
炎に焼かれながら生きることを選択しているし、

『わたし』は『わたし』の通りに
そんな『あなた』をみて心を痛めて、
私とワルツを踊ることで救われてほしいって
願い続けることを選択している。

 

 

ある意味、完成されている間柄じゃないか。

 

 

想うことが現実を作り出す。

 

 

辛いことも楽しいことも
体験したいからしているのだ。

だから『わたし』は

どうか私とワルツを

と嘆き続けたいなら嘆いていれば良いと思う。

 

 

そうじゃなくて『あなた』とワルツを踊りたい(生きたい)なら

一緒に炎に焼かれようと何だろうと
疎まれようと邪険にされようと

さっさと手を取ったらいい。
踊ってしまったらいい。

 

 

だから改めて私は思う。

この歌詞の『あなた』というのは
他ならぬ『わたし』だったんだ。

『わたし』が『わたし』に

なぜ生きようとするの?
何も信じられないくせに

と問いかけていたんだ。

自分の魂の声を聞き、
本当に望んでいることとは何か?
私はいったい何を求めて生きているのか?

そんな叫びが込められているんだと思う。

 

 

だからいまはこの歌詞を読んで
印象がガラッと変わってしまったことに気づく。

『私とワルツを』は

『わたし』が『あなた』に訴えかけている
んじゃなかった。

『わたし』が『わたし』になり、
『わたし』が『わたし』を生きる!

そんな、自分への魂の叫びを
歌った歌だったんだな。

 

 

やっぱりこの曲は不朽の名作なのだ。

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