ある日突然『上手くなっていた』ことに気づいたけど、その前って何してたっけ?

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こんばんは、コウタローです。


前回の記事でコツコツ実践していると
ブレイクスルーが起きる瞬間がある
っていう話をしました。


いままで分からなかったことが
一気に理解できるようになって
やってきたことの一つ一つがつながっていて、
全部が自分の中にあることに気づいて
心が震えるような瞬間がある…。


この瞬間は本当に光に満ちるというか、
めちゃめちゃテンション上がるというか、
言葉にならない喜びというか、、、

サイコーの瞬間の一つですね。

 


で、

 

こういうとき一つ思い出すことがあります。

それは、とある演奏会のことです。
15年くらい前のことでしょうか。。。

 

ヘンデルのメサイヤっていう合唱作品があるのですが、
その演奏会で歌っていたカウンターテノールの
歌い方が異常だったんですね。


異常にスムーズだったんですよ。

 

歌い出す時って普通は
『息を吸ったな』とか
『声を出すフォームを作ったな』
とかそういうの感じるものですが…

 

その人はまったくのノーモーションで
いきなり歌いだしてたんですよ。

 

不意打ちです。

 

息をいつ吸ったのか分からないし、
歌うときにフォームを作る素振りがないので、
歌い出すタイミングが分からなかったんです。

 

そして歌っているときも微動だにしないんですよ。

正直キモいって思いました(笑)
意味分からなすぎですし。


で、当時から発声マニアではありましたから、

一体どうやっているのか?
どうやったらこの歌い方が出来るのか?

は興味が出てくるわけです。

 

ていうか、
あまりにも衝撃的だったし、
ぶっちゃけ『かっけぇ!!』って思ったんですよね(笑)

凛とした佇まいと
まったくブレないその歌が。

 

でも、当時の私には解析不能だったんですね。
はい、知識と技術不足です。

 


そして時は流れて…
いまから6〜7年くらい前でしょうか。


ある時、
自分ができるようになっていることに
気づいたんですよ(笑)

 

あ、あのときのあの人の歌い方だっ!!

 

▲違う(笑)

 

 

じゃあ、私はいったい何をやったから
あの不動唱法とも言える歌い方が
出来るようになったのでしょう??


実は、それがロングトーンだったんです。

 

そのころ私、
ロングトーンしかやってなかったんですよね。

 

延々とロングトーン。
歌ってすらいない。

1年半くらいやってたかなぁ。

 


で、

 

ロングトーンのやり方は
シンプルな3ステップです。


1.心身調律
2.ロングトーン発声
3.余韻


もう少し説明すると

 

心と体と声のリズムを感じシンクロさせて、
いまこの瞬間の体の感覚を声として発し
声を出し終わった後の余韻を長く感じる

 

こんな感じでしょうか。
これを延々と繰り返すんです。

 


で、

 

1回2回3回…10回20回と繰り返すのですが、
そのときに世界が途切れないようにやっていました。

 

1回1回ロングトーンをやるのは同じですが、
その1回目と2回目の雰囲気が途切れないように
世界が続いているような感覚でやっていました。


例えば、
日本庭園って家と縁側と自然の境目が曖昧で、

 

ここから家!
ここから縁側!
ここから庭!

 

ってぱっきり分かれてないですよね。
ああいう曖昧な領域を感じるんです。

 

声を出し終わった後というのは、
声帯の振動が終わっても、
声がアタマの中で反響したり、
口から出ていった声が壁に跳ね返ってきたり、
消えるまでにタイムラグがありますよね。


で、その音が消える、
その一瞬をぐーーーーーーーーっと引き延ばしていく

 

ここまで音が有る
ここから音が無い

 

つまり、有音と無音の境目ってかなり曖昧なんです。

 

声が鳴り終わってもなお、
声が続いているような…

 

歌い終わってもなお、
まだ音楽が続いているような…

 

無音が無音でなくなるんです。

 

こういう感覚でロングトーンを続けていると
次第にブレスをしても世界が分断されなくなります。
世界が途切れないで続くようになっていくんです。


そして、この感覚を実現するためには
さまざまなことに意識を向ける必要がありました。


息の吸い方が雑だとダメ
早すぎても遅すぎてもダメ
力むと失敗する
最初は脱力できていても繰り返してると力んでしまう
姿勢が崩れていると非常にやりづらい
体幹に力が入ってないと声が浮く
声のフォームを整えてから声を出すべし
声を出しながらフォームを整えようとしても遅い
心が浮ついていると声が軽くなる
自分の声にダメ出ししてるとダメになる
淡々と声と静かに対話するようにするといい


などなどなどなどなどなど…


このあたりは何千回も何万回もやってるうちに
しだいに深まっていったと思います。


そんなことをしていたら
いつのまにか例のアレができるようになっていた
というわけです。

 


で、

 

気づいたら
異常に上手くなっていました(笑)

 

私は発声を追求するための分野を8つ設定してます。

 

1,音域(高音低音)
2.声量
3.音程
4.言葉
5.音色
6.リズム
7.滑らかさ
8.感動したい

 

すべての領域が圧倒的にレベルアップしていました。

 

別にそのための専用練習してたわけではないのですが、
勝手にできるようになっていました。

 

ロングトーン三昧の経験で、
声の土台がきっちり出来上がっていたのだと思います。
基礎練大事だってのは知ってたけど、
ここまでとはね、、、って驚愕したのは記憶に鮮明ですね〜。

 

 

というようなお話でした。

 

結局、それまでの私はなにか特別な練習が
必要なのかなといろいろと試していたのですが、
ひとつのことを極めるってことは
あんまりやれてなかったんですよね。


物事にはやっぱりレベルがあって、

1に満たないレベルの技術を
いくつも掛け合わせると
どんどんレベルダウンします。

 

0.8×0.8=0.64

 

なんです。
だったらやらないほうがマシです。


実際、ボイトレやりはじめてから
下手になったって人いっぱいいます。

 

何も知らずに好き勝手に歌ってたときのほうが
声も伸びてたし、何より楽しかった

 

って、、、

善逸も汚い高音出すわって感じですよね。

割とショックでかい。

 

けど、努力すれば上達するってのは幻想です。
努力するほどドツボにハマるのは本当に良くある罠なんです。


効果が出る方法を
効果が出るように実践する

 

そういう努力すれば確実に伸びます。
そして、徹底すればありえないほどに・・・。


で、歌の話で言えば、
そのキーになる一つは
『ロングトーン』だと私は思っています。


超シンプルです。
けど、奥が深くて、豊か。

やればやるほどその先の世界が広がる…。


こういう言い方はアレですが、
めっちゃコスパいい練習法だと思います(笑)

 

 


ということで!

 

昨日のセミナーを受けて、

 

『結果を出すってやっぱり大事だよな!!』
『ビギナーを超えて玄人になる楽しさってあるよな!!』

 

って思いましたし、
なによりなにより、

 

『一番やりたいのは心で響き合うことだよな!!』
『自分を全解放し尽くせる技術を身に着けたい!!』
『そんな人達が集まって一緒に歌ったらヤベーな!!』

 

って思ったんですね。


『魂が震えるような感動』
その瞬間をみんなと一緒に生み出したいんだ

 

ってことを改めて感じました。

いやー、原点回帰だなぁ。

 

 

さてさて…
じゃあ、そのために何をしていくか…??


そのへんを残りの2020年内に
着手していこうと思います。

 

それでは、ありがとうございましたー!

 

 

 

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