歌うと胸の真ん中が痛い人へ

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約7分

こんばんは、コウタローです。

 


今日は東京にて個人レッスンだったのですが、
ある方のレッスンでは声の調律ではなくて
心理的なアプローチがメインになったんですね。

 

どうも話を聞いていると
なにか聞き覚えのあるような体験が…
ってこれ、過去の私じゃん!(笑)

 

何かというと『感情抑圧』に関するものです。

 

 

感情抑圧…!!
めっちゃやったぜ…!!
暗黒の中学高校&サラリーマン時代は
伊達じゃない!!( ゚д゚)

 


発声の課題としては

『高音が苦しい』
『声がふらつく』

を挙げてくださっていました。

 

実際に歌ってもらったのを聞くと
確かに苦しそうな感じがあるし、
わずかに声の震えのようなものがある…。

 


さて、こういうときって
流れとしては大まかに3パターンになります。


発声的にアプローチするか?
心理的にアプローチするか?
身体的にアプローチするか?


で、ヒアリングさせてもらうと
どうも心理面からが必要かなって
感じたんですよね。

 


このあたりは
『〇〇だから●●』
のようにパッキリと言える部分ではなくて
だいぶん直感的なものも働いています。

 

あえて判断の指標としているのは

『本来の声がどのくらい出ているか?』

という部分に着目していると思います。


この人の声の雰囲気や
体つきや呼吸の感じからして、
本来の声はこのくらいでそうだな。。。

だけど、
20〜30%くらいしか
出せてない気がする…。

 

っていうときは
だいたい心理的アプローチが必要な時って
感じがします。

 

だって、
別人格がその人の肉体に憑依したら
めっちゃ声出そうだなーって思えるわけです。

 

そういう人に単にボイトレだけやっても
あんまり効果ないんですよね〜。

 

 


で、

 

詳しく状況を聞いていくと
胸の前あたり(胸骨あたり)が
めちゃめちゃ苦しくなっているとのことでした。

 

これ!!
覚えある!!


胸骨ってここね。
胸のど真ん中の骨です。

 


私も昔、歌うと胸が痛いなー
って感じてたのですが、
呼吸法が良くないのかなーとか
発声が良くないのかなーとか思ってました。

 

特に長いフレーズとかを歌っていると
けっこう痛くなってたんです。

 

ぎゅーーーーっと締め付けられる感覚があり、
でも別に筋肉痛とかではないので、
なんなんだろう、、、って感じでした。

 

これ、ボイトレだけやっても
ぜんっぜん改善しないんですよ。。。

 

私もすっげー長いこと15年くらい??
痛みを抱えながら歌ってましたね〜。

 


で、

 

いまはめっちゃ軽くなったのですが、
なんで楽になったのかなっていうと
発声技術が向上したからではなくて、
感情を感じるってことを実践したからでした。

 

 

胸骨のところには
胸腺っていう器官があるんですが、
これは免疫系を司るのに
めちゃめちゃ重要な器官だったりします。

 

胸腺がうまく働かないと
免疫系統をうまく機能させることが難しくなり
自分を攻撃し始めたりすることもあるんですね。

 

重くなると、膠原病とか聞いたことあるでしょうか。
自己免疫疾患ってやつです。

 


で、この自己免疫疾患ってのは
もうすこし違う表現でいうと

『自分で自分のことを攻撃してしまう』
『自分で自分を傷つける』

ということになります。


もうちょっと分かりやすく言うと

 

『何か言いたいことがあるのだけど、
 言うことができなくて我慢している』

 

『怒りや悲しみを感じるのが怖くて(嫌で)
 感情を抑え込んでいる』

 

ってことをしている人は
胸骨のあたりがズーーーンと
重くなる、痛くなるって場合がかなり多いんですね。

 

 

 

で、

 

これまでの体験を色々と
聞かせていただいたのですが、
やはり『感情を抑える』ということを
数十年前からやっている、という話だったんですね。。。

 

 


…と、いう感じで
少しずつヒアリングしていったのですが、
今日実践してもらったのは

『感情を感じる』

というワークでした。

 


感情は抑え込んでいても
無くなりません。
消えません。

 

強力に押さえ込めばもちろん
その場は収めることができますし、

『この感情を出しちゃったらデメリットだよなー』

という判断で冷静になるというのは
社会生活においては必要な場面もあるでしょう。

 

 


なんですけど、
感情は常に湧き上がっているんです。

 

喜びや楽しさという明るく軽い
ポジティブな感情だけがOKで、
怒りや悲しみという暗く重い
ネガティブな感情がNGなわけではありません。

 

怒りも悲しみも悔しさも
ネガティブな感情だって、
ぜんぶぜんぶ自分の中から湧き上がっている
人間が人間として生きる証なんです。

 


その常に湧き上がっている
感情と向き合うための方法を
一緒に練習しました。

 

この実践とはつまり、
自分自身と向き合うことにも通じています。


私は
『声はもうひとりの自分』

と定義しているのですが、
感情を感じるワークとは
つまり『内なる自分の声』との対話でもあるんですね。

 

だから感情を感じるワークを入念に行うと
声の出方もものすごくスムーズになります。

 

楽に引っかかりもなくスルスルと
声が出るようになった!

なんてことも非常に多くなります。

 

だから私はこのワークを
本当に、本当に、本当に重要だと思っています。

 

 

 

 

『感情を感じる』は一朝一夕にはいきません。

 

ワークをやった直後からすぐに
万事解決!とはなりませんし、

ちょっとやったらすぐに効果抜群ってこともなく、
日々の地道な実践が不可欠で、
少しずつ効果を実感していくことになります。


けど、1ヶ月、2ヶ月実践していくうちに
素晴らしい感覚が自分の中に芽生えることも
また事実です。

 

 

30年40年50年と抱え込んできた
生きづらさや苦しさが、
一気にゼロになりはしないけど、
でも、明らかに楽になっていく。

 

楽しいって思える瞬間が増えていく。
なんだからワクワクしている自分に気づく。
ふと見た鏡の中自分が笑っていた。
人と会うことが楽しくなっていた。

 

そんな瞬間がほんの少しずつ
日常に現れてくる。

 

ほんのちょっとずつ世界が変わる。

 

そうして、1年が経ち、2年が経つころには

『ああ、なんだか、幸せだなぁーー』

と胸のあたりがほんのり温かさで
満ち溢れたようになっていたことに気づく。


そんな変化なんですね。

 

 

 

他の誰かから聞いたものではなく、
本の中に書いてあることでもなく、
世界の外側にある答えらしきものでもない。


そうではなく、


自分の中に答えがある。
自分の人生は自分のものである。
自分という物語を生きる。

 

そんな『自分を生きる』感覚への目覚めです。

 

私はそういう生き方をする人のことを
本当に応援したい。

 

 

そして、そんな人がやったらいいのは
本気で歌うことです。

 

歌うことは人の生命を引き出してくれます。

歌うことは自分の感覚感情を引き出してくれます。

 

私が本当に感じていること。

本当に望んでいる生き方。
私の人生の幸せとはなにか?

 

本気で歌うことは『魂の声』を引き出してくれる。
自分の中に『ずっと昔から響いていた声』に
気づかせてくれる。

 

 

その瞬間はとても言葉では言い表わせませんが、
生命そのものが輝くような瞬間であることだけは
間違いありません。

 

あなたの声にはそれだけの力がある。

 

それを私は信じています。

 

 

 

 

それでは、ありがとうございました。

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