全力で声が出ているときの感覚とは?

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こんばんは、コウタローです。


今日は
『全力全開で声が出ているときの感覚』
について話したいと思います。

 

これ、もんのすごく重要なのですが、
全力声が出た経験があるかどうかって
歌を歌う人の人生においては
もんのすごく重要な分岐点なんです!

 

なんと言っても、
超気持ちいい!!です!!

 

たった一声でもいいのです!!

 

自分の『あーーーーーーーーーーー!!』という声が
どこまでも伸びていって、

室内なら体育館くらいの空間全体に声が満ちているような、
室外なら遠くの山まで響き渡り自然から返事が帰ってくるような…。

 

とにかくそんなときの声は
『単なる声』の領域を超えた感じがするんですが、
もうホントこれはぜひ体験してもらいたいやつですね。

 

 


で、そんな全力声ですが、
『出している時はどんな感覚なのか?』
というのを少し具体的に書いてみようかと思います。

 

『下半身の状態』

 

地に足がついています。
足の裏で地面をガッとつかめていて、
脚が地面にささってんのか的な安定感があります。

 

膝はピン!とは伸ばしきっていません。
膝ピンして少し戻したときのような感じで、
見た目的にはまっすぐに伸びていますが、
膝裏の筋肉に余裕があります。

 

内股から骨盤底筋にかけて締める感覚があり、
腹斜筋とともに内臓を上に持ち上げるような感じがします。

 

足元は地面方向へのベクトルですが、
膝上は螺旋を描くように上方向へのベクトルを感じます。

 

お腹まわりでは、
腹部をグルッと包む腹巻き筋(腹横筋)が
体を筒として保持するので、
コルセットを装着したかのような
圧迫感と安定感があります。

 

『上半身の状態』

 

骨盤底筋、腹斜筋などの働きで
内臓が上に持ち挙げられて、
かつ腹横筋で筒が出来ていますので、
内臓が下から上がってきてます。

 

これを横隔膜をグッと押し下げることで
上下から内蔵を圧迫します。

 

 

  横隔膜
   ↓↓
  ┏━━┓
腹→┃内蔵┃←腹
横→┃内蔵┃←横
筋→┃内蔵┃←筋
  ┃━━┃
   ↑↑
骨盤底筋&腹斜筋

 

 

これでかなり内蔵に圧力がかかります。
これを腹圧と言いますが、
かなりの圧力になります。

 


本気の声を出している時は
超気持ちいいですが、
これは別に『楽』というわけではありません。

 

めちゃめちゃ筋力を使ってもいます。
じゃなかったらそんなドーンと声出ません。

 

 

『声帯の状態』

 

このとき声帯にはものすごい圧力がかかっています。

 

全力声というのは脱力発声です。

 

しかし、この脱力とは力を使わない
ということではなくて、
使わなくていい筋肉は力を抜くが、
使うべき筋肉は超使ってる、ということです。

 

ですから、全力声のときは
声帯には相当な圧がかかっています。

 

全力声のときはかなり強い呼気が肺の方から
送られてきていますので、
相応のベルヌーイ力が働き、
強い声門閉鎖が勝手に生まれています。

 

脱力はしていますが、
めちゃくちゃ圧はかかっているのです。
ここが勘違いするところかもしれません。

 


また、全力声は自分的にそこそこ高音で
かつかなりの声量になります。

 

高音を大きい声量で出そうと思ったら
強い呼気圧も必要ですが、
そうなるとこの呼気圧に負けない
声帯フォームのキープ力が必要です。

 

楽器の形をキープする力が足りないと
力みが生じて固まってしまったり、
バランスが崩れて裏返ったりします。

 

かなりギリギリの勝負なのです。

 

聞いている人としては
非常に心地よくよく伸びるよく響く声に聞こえるのですが、
出している本人のほうは
けっこうギリギリを攻めています。

 

筋力的な強さと
各種筋肉運動の連動力と
微細なコントロール力。

 

これらが噛み合ってはじめて
全力声が生まれます。

 

ちょっとでもバランスが崩れたら、
1ミリでもずれると普通に失敗します。

 

ですが、このギリギリ感が上手くいくと
最高すぎて泣けてくるくらいです。
生きてる感がハンパないです。

 

 


『口とか鼻腔とか頭とか』

 

倍音がものすごいことになっているので
凄まじく響いています。

 

物理的な共振もしているので、
響きすぎるとクラクラするくらいです。

 

ソプラノの音域で全力声を出して
脳震盪で倒れる人もいるそうですが、
確かにビリビリがヤバいくらいです。

 

共鳴腔というのは
喉仏よりも上の空間になりますので、
主な

共鳴腔は『喉仏よりも上の喉』『口腔』『鼻腔』の3箇所

になります。

 

この空間全体がビャーーーー!!と
凄まじい微細振動を起こします。

 

そのときの喉や舌や顎はかなり
リラックスしています。

 

リラックスしているほうが
共鳴腔は広がりますので、
これで響きが増幅しているわけですね。

 

また、背中から後頭部にかけては
天に向かって上に引っ張られているような感覚
があります。

 

全力声のときは裏声の筋肉を
最大限使って声帯をめいっぱい伸長させる
必要があります。

 

で、このときに裏声で声帯を伸ばす筋肉が
頭頂部に向かって付着しているため
背面から後頭部、頭頂にかけて
テンションがかかる感覚が生じます。

 


こんな感じで、
全力で声を発している時は
体の各所で色々と別の方向に
ベクトルを感じながら出しています。

 


こういうのが上手く噛み合うと
ヤバいくらいすっごい声が出ますし、

たった一声しか出してないのに、
異常なくらいの満足度があります。

 

人によっては自分の声で呆然とするかもしれません。
そのくらいの破壊力はあります。

 

 

 

今回の説明は筋肉的な感覚について説明しましたが、
こういう感覚を身につけるには
私には知識も必要でしたし、
分解練習が必須でした。

 

一気に身につけようとしても
そりゃ難しいよって話ですね。

 

教習所で車免許取るときには
ちょっと街に出て運転するのとか
意識するところ多すぎるし、
マジで怖すぎてヤバいって感じですが、
慣れたら何も考えなくても普通に走れますよね。

 

あれと一緒で、
自動化レベルまでいかに持っていくかが
超重要ってわけです。

 

 

 

ということで、
今回は
『全力で声が出せているときの感覚』
について詳しく書いてみました。

 

 

 


いや、マジで全力で声が出せると

自分の声、すっげぇーーーーー!!!

って感動しますよー!!

 

 

ぜひぜひ自分の声を響かせきってみてくださいね!!

 

 


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『全力声で自分を歌い切ってみたい!!』

と本気の人のための5ヶ月間の講座になります。

 

声とはもうひとりの自分!
その声の可能性と全身全霊で向き合ってみて
その先でこそ見えてくる、聞こえてくる世界を
一緒に生み出していきたいと思います!

 

何が起きるのだろう…?!

楽しみ!!

 

それでは、ありがとうございましたー!

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