福岡への旅で感じた『発声』にとって大事な2つのこと

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こんばんは、コウタローです。


今日は近況報告をば。
福岡にて個人レッスンと発声セミナーをやってきたのですが、
発声的に非常に重要だと感じたことがあります。

 

2点あります。


まずは『地声』の重要性です。

 

地声が鳴る、鳴らせる…
つまりは

 

『デカイ声が出せる』

 

ということがいかに重要か、ということです。


発声的な課題というのは
人によってさまざまです。

 

例えば、、、

 

大きな声がうまく出せないとか

喉が詰まるとか、

低音から高音に行くと苦しくなるとか、


地声と裏声の行ったり来たりが上手く行かないとか、

声が日によって安定しないとか…。

 

こういう悩みがあった場合、
実は

 

『地声を鍛える』のが超有効だったりします。
要は単に筋力が足りん、というわけです。


例えば、風邪をひいて
2〜3日寝込んだ後に歌ったりすると
声がうまく出ないとかありますよね。

 

同じ音量で声を出そうとしても
なんだかすごく疲れる…のように。

 

これは筋肉が強ばっていたり、
寝たきりでいたことで
筋肉が萎縮したためです。

 

2〜3日のことですから、
日常を過ごしていればすぐに回復しますが、
ちょっとしたことで筋力が低下しただけでも
声は出づらくなります。


だから、筋肉がしっかり働く状態だったり、
筋力に余裕がある、ということは
非常に、非常に重要なんです。

 

ここのところマスクマスクマスクなどで
声を出さない習慣で過ごしている人が
非常に多くなっていて、
声が不安定に不鮮明に小さくなって
しまっている人も増えています。


このご時世だからこそ
『意識して地声を鍛えていく』
ということは非常に重要だと思います。

 

 

鍛え方はさまざまありますが、
やりやすいこととしては
ざっくり2つ。

 

1つはロングブレスです。
ロングブレスダイエットで有名になりましたが、
唇をすぼませて圧力をかけて
フーーーーーー!!と思いっきり息を吐くことです。

 

これによって呼吸が鍛えられます。
呼気量が大きくなれば
声帯はより振動しやすくなります。


そしてもう一つはシンプルです。

 

『いつもよりデカイ声で過ごす』

 

これだけ。
ですが、これを続けているだけで
ぜんっぜん変わります。

 

1日1%ずつ大きくするでもいいんです。
前日の声量の101%でいい。

 

これを10日間続けたら初日の111.6%になります。

1ヶ月も続けたらエライことになりますよ。
試しに計算機で1.01を30回かけてみてください。
けっこうビックリすると思います。

 

 

 

そして2点目。

 

これは『発声フォームの重要性』になります。

 

声はピアノやギターなどの
形が定まった楽器と違い、
人間の肉体という決まった形が無い楽器です。

 

その日の調子によって、
気分によって、
出したい音量によって
音質によって音程によって
形が常に変わる不安定な楽器なのです。

 

だからこそ、
『声のフォームを作る』
という意識が非常に重要になります。

 

しかし、、、
多くの人はこのフォームの感覚が非常に曖昧です。
今回の福岡で会った方もそうでした。

 

そこまで考えたことがないです

そんなことを意識したことがないです

そこまで感じようとしたのははじめて…

 

そうだと思います。
でもほとんどの方は同じだと思います。
かつての私も含めて、ですね。


なぜならば、
声の出し方をイチから習った人はほぼいないからです。

 

自分自身がいつから
声を意識的に出せるようになったか
なんて覚えてないですよね。

 

だから、自分の発声フォームとはつまり
両親の発声フォームのコピーが元になります。


両親が高音を出しやすい発声していれば
子どもも高音を出しやすくなります。

 

両親がだみ声なら
子どももだみ声っぽくなる可能性が高いです。

 

ただ、人間そう単純ではありませんし、
両親と仲が悪かったり、
両親のことが嫌いだったりすると、

 

両親と同じなのは嫌だ!!ということで
逆に振るようになることはあります。

 

両親がだみ声なら真逆の
息混じりで少し高めの柔らかい声を
出すように成長するかもしれません。

 

ただ、それは音質や音程の話であって、
フォーム自体の感覚はインストールされていますので、
一般的には両親が歌が上手ければ
子どもも歌がうまい可能性が高くなります。

 

整ったフォームの発声を聞く機会が多かったから
無意識的にそのフォームを真似て成長するからですね。

 

こういう人がいわゆる
『練習してないのにやたら歌が上手い人』
になったりします。

 

どちらにしても、
声を出すときにフォームを作るなんてのは
意識したことがない人が大半なのです。


で、残念ながら私の場合は
あんまり整ったフォームではなかったようですし、
大学時代に無理を重ねたおかげで
余計にフォームがこんがらがりました。

 

さらに非効率的でロスが多く
極めて声の自由度を奪う発声フォームを
身につけてしまったことと、
練習熱心だったことが掛け合わさって

かなり酷いことになりました。

 

ありとあらゆる発声の罠にハマったので、
そこから声の出し方そのものを見直し、
発声法をリセットするには
長い年月がかかってしまいました。

 

ですが、失敗しまくって来たからこそ
そこからの改善法を一つ一つ
丁寧に真摯に取り組まねばならなくなり、

結果として自分のカラダが発声理論の
最高の実験台になったのです。

実に人生ってのはオモシロいものです。

 

 


少し脇道にそれてしまいましたが、
本題に戻ります。

 

では、フォームを整えるのには
どうすればいいのでしょうか?

 

フォームを整えるための超有効策が
『ロングトーン』
です。

 

私が発声改善に取り組みはじめて
10年くらい勘違いしていたのですが、
それは

難しい技術の練習が必要と思いこんでいた

っていたことです。


発声理論の勉強としては
セミナーだったり本だったり
ネットだったりを調べ漁っていましたが、
とにかくかなり難しそうな技についても
勉強したり実践したりと努力していました。

 

しかし、結果的に言えば、
必要だったのは

『たった一音』
『たった一声』

を徹底的に整えることだったんです。

 

ロングトーン

つまり、声の三要素である
『音程・音量・音質』を
一定に保って長く伸ばす発声です。


これを地味に地味に地味に
10回やっても100回やっても
同じ様になるまで整える。

 

声が生まれる瞬間を非常に細かいレベルで
認識できるようにし、
心と体と声をシンクロさせて
発声できるようにする。

 

音が鳴っている世界と
音が鳴り終わった世界、
有音と無音の境目を感じられる
繊細な感覚を磨く。

 

たった一音、一声を磨き抜く。

 

このときに起こった大きなブレイクスルーが、
いまの私の発声理論の礎になっていますし、
これまで取り組んでくれた方々とも一緒に
大きく変化を生み出してきました。

 

やはりとても大事だな、と思わされた2日間でした。

 

ということで、
改めて気づきがたくさんあった
いい旅だったと思います。
ご一緒できた方、ありがとうございました!

 

ともかくも私がご縁のあったみなさんに
ぜひとも体験して欲しいと思っていること

 

心のままに自由に歌い、
感動を生み出し、
大切な人と分かち合う…

 

つまり『共鳴体験』です。

 


そのためには
技術の向上は表現したいことを助けるお供と思っていますし、
身体は健康であったほうがより楽しめますし、
精神的にも瑞々しい感性で人生楽しー!
って思える生き方してたほうがいいなって思っています。

 

心技体、自分の人生すべてをひっくるめて
『これが自分だっ!!』
っていう歌をみんなが生み出すきっかけになるような…

 

 

そんな活動をしていきたいと思っています。

 

それでは、ありがとうございました!

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