『音大生あるある一人コント動画』で爆笑した件

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約11分

こないだ教えてもらって
爆笑した動画があるんです。

 

ピアニストのあかぼしりなさんの
音大生あるある一人コント動画なんですが、
マジであるあるすぎておなかいたい(笑)

まず見て!
めちゃ面白い!(笑)
声楽レッスンとか受けたことある人だと
余計に面白いです(笑)

 

 

で、

『あー面白かった』で
終わってもいいのですが、
せっかくなのでちょっと
ツッコミやら解説やらを
してみようと思います(笑)

 

 

動画の最初にこんなセリフが出てきます。

絶対めっちゃ意味あるんやろうけど
自分が未熟すぎてあまり
効果がわからなかった
副科声楽のレッスン

 

この段階で『あ、察し…』という感じですが(笑)

あ、副科声楽というのは、
第2外国語みたいなもので、
ピアノ科とかバイオリンとか
他の専攻で入学した人が
声楽を習うやつです。

つまり歌専門ではないってこと。

 

歌ってる曲はイタリア歌曲集から
『Sebben crudele』で
日本語訳が『たとえつれなくても』ですね。

ド定番!
イタリア歌曲!
やりますよね〜〜。

内容的には
『私の愛は誠!偽りにも打ち克つ!』
みたいなノリなので、
一途っちゃ一途かもですが、
ぶっちゃけそれストーカーでは?(笑)
こういうの多くない??!

まぁいいや。
とにかく愛の歌ってジャンルです。
まぁイタリアですし(←)

 

 

で、さっそく

先生役のときの声の出し方が
めちゃくちゃあるある(笑)
そういう人いっぱいいた!!

 

裏声っていうか、
歌の発声で話してる
んですよね。

この一人コントやってるあかぼしさんは
ピアニストさんなので、
ただの裏声っぽい感じになってますが、
実際はめちゃくちゃ響きます。

声が肉厚です。

なぜなら地声が超発達してて、
呼気圧もナチュラルに強くて、
息の声への変換効率も高くて、
共鳴腔のコントロールも上手いので、
めちゃくちゃ響きます。

 

これはレッスンを録音とかして
聞き直してみるとビビりますよ。

先生の声デッカ!!!
自分の声ちっさ!!!

ぜんぜん楽そうに普通に出してるのに
声そのもののパワーが意味不明に高いんです。

自分は割と必至に声出してるのに
先生の軽い『えっとね〜』みたいな声が
めちゃくちゃデカいんです。

微妙に落ち込みます(笑)

 

 

そんで、そもそも
なぜ話声をそんな歌声っぽくしているのか?
っていうことですが、

これは喉にかかる負担を減らすことと、
普段の声から歌声にしていれば
トレーニングになるじゃない?

っていうプロ根性が大きいと思います。

あと、地味にけっこう大きい
理由じゃないかなーってのが
『特別感の演出』
かなと思ってます。

芸術家ですし、
声楽家ってのは体が楽器で、
つまり楽器ごと歩いているんです。

なので、そういうアピールってのも
あるなーっていう印象。
目立ってなんぼでもありますし。

 

 

で、やっと内容(笑)

『ピアノと相撲しながら歌ってみて〜』

これめちゃ分かる(笑)

動画でも『細い声』っていう
注釈がありましたけど、
まさにこれなんです。

細い声というのはつまり

・体を使えていない
・息の量が少ない
・呼気圧が低い
・共鳴腔が狭い(主に喉の空間)
・地声が鳴っていない

って感じなんです。

なので、全身の筋肉を使うっていう
アプローチが効くのですが、
ピアノと相撲ってのはつまり

全身使え
体幹使え
筋力使え

っていう指示ですね。

 

なんだけど(笑)
わかんないよね(笑)

分かんないってのは

なぜやっているのかの意味が分からない』
なぜこのやり方なのかの意味が分からない』
これで合っているのか分からない』

っていう感じで、
マジで脳内が『????????』で
いっぱいになるんですよね〜〜〜(笑)

▲なんで、私は、ピアノと、相撲を…??

 

実際に私もピアノを押すとか
重たいものを持つとか
そういう練習を通じて
細い声を改善する方法はやります。

ただし、
『やり方が合ってないと意味ない』
です。

つまり『押し方』があるんです。
ここをちゃんと教えないと通じない。

運動やってた人とかはいいのですが、
運動してなかった人とか
運動音痴な人ってのは
『押し方』がヘボすぎる(私もでしたが)んです。

手とか腕だけで押してる段階で
押し方は間違ってるし、
多くの場合では、

そもそも体幹以前に
筋肉に力を入れることができない
って人が大半です。

だから、その前段階として
『筋肉に力を入れられるようになる』
必要がある。

 

 

次に

腕や手などの小さい筋肉ではなくて
背中や腰や脚などの
デカイ筋肉を使えるようになる
っていうのが必要です。

それやったら次に
体幹を使えるようにして
上半身と下半身を連動させられる
ようにします。

 

ここまでやれれば
ピアノと相撲するレッスンは
めちゃくちゃ効きます。

体使えるといきなり声変わりますよ。

例えばこういうのです。


▼ビフォー体幹


▼アフター体幹(10分後)



いや、マジで効くんだよ!
ピアノと相撲するやつ!!
ちゃんと前提からやれば!!(切実)

 

 

『寝転がって仰向けになって〜』

これもよくやるやつかもですね。

たぶん相撲がいまいち効かなかったので
『脱力から攻めてみよう』
って思った場合に使われがちです。

 

目的としては『脱力』です。

立っているってのは
それだけで筋力を消耗しますから、
寝転がるとかなり楽になることは確かです。

仰向けに寝ることで
重力からかなり解放されて
喉周りの力が抜けるだろう。

そして背中や直腹筋なども
楽になることで
脱力した発声ができるだろう。

そういう期待があるときに
よく使われる手法ですね。

 

なんですが(笑)

 

生徒さん『歌うことで精一杯』って書いてるように
めちゃくちゃ歌いにくそうですよね(笑)

実は、仰向けでも歌えるのは
腹式呼吸が使える人です。

胸式呼吸しか使えない人は
寝転がると超歌いにくいです。

 

また、

よくあるのは
仰向けのときの呼吸は
『腹式呼吸である』
という勘違いです。

仰向けのときの腹式呼吸
吸うときに力を使ってお腹が膨らみ、
吐くときには脱力してお腹がしぼみます。

吐くときに脱力しているのです。

でも、歌うときの腹式呼吸って
吐くときにこそ力を使うので、
まったくの別物です。

 

立ってやる腹式呼吸と
寝てやる自然腹式呼吸は
ぜんっぜん別物です!!

 

そんなわけで、
この生徒さんは
腹式呼吸そのものが出来てないので
仰向けになる練習は
あんまり効果がなかったようですね。

途中で『丹田を意識〜〜♪』って
言われていますが、
つまり下腹部に意識向けて
腹式呼吸を使ってほしいんです。

腹式呼吸使えると
喉頭引き下げ筋が働いて
共鳴腔が広がって
地声も鳴るようになるので
声が太くなるんですよね。

仰向けになって歌うってのは
腹式呼吸が使えるけれど
ちょっと緊張気味だったり
喉が固くなる系の人だと
効果が出ることが多いです。

けど、この生徒さんは
効果が出る条件が揃ってなかった
という話ですね。

仰向けに寝転がって
『はい、それが腹式呼吸ですよ〜』
って言ってる人がいたら
それ単なる勘違いというか
勉強不足ですのでご注意を。

 

 

あ、もちろん
『出来るようになるなら別にどうだっていい』
んですよ!

正しい理解だから
出来るようになるってことじゃないです。

謎の雰囲気と勢いで
『〇〇ですよぉ!(物理的には間違い)』
『できましたぁ!(なぜか分からんけど!)』
ってことは普通にありえます。

理論超越!
いいんですそれでも。

けど、それで出来ないんだったら
いちおう物理法則とか人間機構に
従ったほうが早いって話で、

意外に
『単にやり方変えたらすぐ出来た』
って人がめちゃくちゃ多いだけです。

 

 

『ブタ鼻で目から息が出るように〜』

こ れ は (笑)

見た目がアレな
ボイストレーニングって
なんでこう多いんでしょうか…(笑)

でも、効くんですよ、これ!(笑)
ぜひ試してみてください!

ブタ鼻にするにもコツがありまして、
鼻の先っちょを潰してはダメです。

そうじゃなくて、

鼻の穴がデカくなるような感じで
鼻を下から指で持ち上げるようにするんです。

その際に顔の方じゃなくて、
正面にいる人に鼻の穴のブラックホールを
見せつけるようにするんです(笑)

そうすると息、めちゃくちゃ
吸いやすくないですか??
鼻腔がめっちゃ広がってるんですよ、これ。

 

鼻の穴の空間が広がる…
つまり共鳴腔が広がり
声が響くようになる効果がある
んです。

また、鼻腔が広がるってことは
顔の内部の筋肉の緊張が減ったということですので
声帯への負荷も減りますね。

だから声が響くようになるんです。
実際効くんです。

 

ただ、

実は別にブタ鼻にしなくてもいいです(笑)

試しに小鼻の横あたり、
頬骨のあたりを指で柔らかく
持ち上げてみてください。

そうすると同じように
息がすっごく楽に吸えると思います。

要は蝶形骨とかそのあたりが
関係してまして、
このあたりを緩めたりすると
全般的に声が響くようになりますね。

他にも顔には
声が出やすくなるポイントが
いくつもあります。

ただ、生徒さんはまた『????』
ってなっていますよね(笑)

これは
『自分の声の変化に気づく能力』
を磨く練習をしていないからです。

実際、声の出方って
けっこうすぐ変わりますし、
先生側からすると
『おお!めちゃ変わったね!!』
という感じなのですが、

生徒側からすると
『えっ??!!!何が…???』
ってなってることが
めちゃくちゃ多いです(苦笑)

 

実際声が変わっているのに
自分では分からない場合、
後で再現できません。

確かに変わったという実感が無いからです。

レッスンから帰ったら分からなくなった
ってのはこれが原因。

 

この『違い』に気づける能力って
めちゃくちゃ重要なんですよ。

能力がある人は自信を持って伸びられるのですが、
能力がまだの人はいつまで経っても
自信が持てませんので、
いつまでも先生の判断待ちになってしまいます。

 

 

 

私もボイトレ教えていますが
基本方針は
『ボイトレはさっさと卒業』
です。

先生と生徒、
教える側と教わる側という間柄は
さっさと終わりにして
一緒に歌う仲間が欲しいなーって思ってるからです。

 

もちろん最初から自分の声を
判断できる人なんていませんから
そりゃ最初は教えることが多くはなりますが、
発声分野以外だったら、
相手の方が私よりずっと能力格上とか
普通にありますからね。

そうなると、
自己判断能力を鍛えてもらう
必要があって、

自分が自分のボイストレーナー
になるってのが重要

だと思ってます。

この感覚を伝えるのは
めっちゃ難しいなーとは常々感じていて、
そういう教え方する人ってけっこう少なめな印象。

 

ただ、結局この意識でやれるほうが
遠回りなようで上達も早いし、
何より歌の奥深さがますます楽しくなれる
って考えています。

 

 

さっさとボイトレは卒業して

『歌ってりゃ勝手に上手くなれる状態』
を手に入れること。

『いまの自分の声、歌がめっちゃ好き!』
になること。

『歌って失敗してもOK!
 歌って上手くいってもOK!』
になること。

『今のままでも好きだけど、
 もっともっと上手くなっていい!』
というのがアタリマエになること。

超簡単に言えば、

『歌うってめちゃくちゃ楽しい!!』
『歌ってる自分最高ーーー!!』

って感じになる人が増えたら
めちゃいいなーって思ってます。

 

ってことで、
めちゃ爆笑した動画でしたが、
書いてるうちにけっこう重要な
話になってしまいました(笑)

何かの参考になればと思いますー!

 

 

今回のような

ボイストレーナーや声楽家が
あんまり言語化してくれてないけど
めちゃくちゃ重要な
『声の前提技術』を高めたい人

メルマガ内でご案内している発声講座

ヤバいロングトーン
VocAlive

を受講してみてください。

 

ヤバいロングトーンは基礎にして奥義!

基礎の基礎である『一音』の出し方、
その背後にある思考法、体の使い方、
心技体のシンクロまでを
徹底的に解説実践していく講座です。

 

VocAliveはビブラートをマスター!

ただのビブラートじゃない。
美声・高音・声量も爆上げしていきます。
超カッコいい声を出したいならイチオシ。

ヤバロンの上位版という位置づけで、
さらに全身を躍動させて発声していきます。

 

 

 

 

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