私は正直それほど歌い手としてめっぽう上手いわけではありません。
プロはともかくとしてアマチュアレベルでも私より上手い人なんて
むちゃくちゃたくさんいますし。
こりゃーかなわん、と思ったことも数知れずです。
合唱を始めたのは高校1年生の2学期からでした。
音楽の授業の1学期の期末試験で先生の前で
ひとりで歌うという試験があったのです。
確かビートルズのイエスタデイだったと思います。
「何かいい曲だよなー」とか思いながら歌った記憶があります。
映像の記憶がないので、たぶん目つむってました(笑)
で、先生に「君、合唱部入らない?」と誘われたのがきっかけでした。
私の学校は進学校で、しかも理数科にいたので、
なんというか完璧に勉強勉強勉強しかない状況でしたが、
当時めちゃめちゃ暗い人生を歩んでいましたし、
別に自分の意見もあまりない性格だったので
「はぁ・・・」
みたいな煮え切らないノリで入ることにしました。
入ってみるとこれがまた少人数でした。
ソプラノ2人
アルト2人
バス1人
で、私がテノールで入って計6人。
今にして思うと一人で歌うことが苦にならないのは
ここでの経験が活きているのかなーと思います。
顧問の先生も実はNコンで金賞を取ったこともある
有名な先生だったらしく、
それも運がよかったのかもしれません。
でもあんま指導された記憶ない(笑)
とりあえず、ルネサンス期の曲などが多かったです。
その時代の曲、いまでも好きなのですが、
やはり最初の経験というのは大きいですね。
翌年そうそうのアンサンブルコンテストとやらでは
奨励賞を受賞できました。
それなりなレベルで歌っていたのかもしれませんが、
さっぱり上手かった記憶ありません。
その後、バスの先輩が卒業すると
男声は私だけになってしまいました。
女声は10人くらいいたような記憶がありますが、
いかんせん完璧に常にヌボーとして
ぼんやり過ごしていたので記憶があまりありません。
よく考えたらハーレム状態だったんですね、あれ(笑)
それに今考えてみると、
私は身長180センチ以上あるのですが、
10数人の女性の中にひとり男がいるだけでも目立つのに、
細くて長いのがボーといたら目立ってしょうがないですね。
でもボーッとしてるから他人の視線には全く気付いてませんでしたが(笑)
こうなると男声パートを作るのは困難ということで、
私はアルトを歌ったり、
先生が楽譜を改変して、ソプラノ部をオクターブ下げてみたりと
イロイロいじりつつ歌っていました。
もともとヒョロヒョロした線の細い声だったので、
低音はさっぱりですが、高音はそれほど苦にならなかったです。
そんなこんなで、せっかくのハーレム状態だったにもかかわらず、
なんのイベントも発生せず、そのまま卒業となりました。
何考えていたのでしょう、当時の私は?
少し発声的なことを考察してみますと、
当時の私は意外にバランスとれていた発声だったんじゃないかなと思います。
出力はなくて細いけど、音もそれなりに安定してる。
感情を表現する技量はないけど、ハモリ要因ならイイカンジ。
そんな感じでしょうか。
喉頭はけっこう高い位置で固定、
腹式呼吸とかそういうのもさっぱり意識していないので、
フォルテは出ません。
ただ、軟口蓋がどうとか上の空間がどうとか、
背中を広げてとかそういう余計な意識もないので、
素の声で歌えていたと思います。
素材としては癖もなく悪くない
って感じだったと思います。
無口で根暗な性格だったので
大声でしゃべることもなく、
声について変な癖がついてなかったのがプラスに働いていました。
加えて女声主体で歌うことがマストだったので、
目立ちすぎずアンサンブル能力が向上したのも良かった点でしょうね。
当時の私をいまの私が指導するとしたら
音楽性は別の話にはなりますが、
かなり短時間で声そのものは向上できると思います。
問題は
『どうやってコイツのやる気を引き出してやろうか。。。』
というところでしょうか(笑)
そしてこの発ですが・・・
大学で始めたボイストレーニングにて
大きく変貌していくことになるのでした。。。
つづく
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