(本記事は2025年2月11日の記事再編です)
コウタローです。
今日観た映画!
めちゃくちゃ良かったので
もーシェアしちゃう!
アンパンマン劇場版
ばいきんまんとえほんのルルン
です!

2024年公開の映画なのですが、
今回のはバイキンマンが主役なんですよ。
とりあえずこちらのレビューが
めちゃくちゃ素敵だったのと
自分で描いたっぽいイラストも
すっげぇ良かったので読んでみて!
メケポンさんのnote
https://note.com/mekeponpon/n/na7545e222fbc
とりあえず公式のあらすじは次の通りです。
ばいきんまんは「助けて」という声が聞こえた絵本の中に吸い込まれてしまう。
そこはばいきんまんが愛と勇気の戦士として活躍していて、森の中で出会った妖精ルルンから、暴れ者の〝すいとるゾウ〟をやってつけてと頼まれた。
しかし、強いすいとるゾウに大苦戦、ばいきんまんはアンパンマンの助けを借りることにした。
でね。
ざーっとレビューとか感想を読むと
バイキンマンの不屈さや職人魂に
心を打たれている人が多いです。
そりゃそうだよな!
ばいきんまんって肉体的には
それほど強くなくて、
自作のメカと創意工夫で戦うスタイルです。
でも、絵本に吸い込まれた先では
そんなもの一切ないんですよ。
メカも工具も何もなくて身一つなんですよ。
で、
すいとるゾウとの初戦は
ボロ負けします。
からくも逃げ切ったのですが、
「メカがいる!!」
と言いつつも、
工具とか材料とかなんもないんです。
ルルンは臆病で怖がりで泣き虫なので、
すぐに「もう無理だよぉ〜」「できないよぉ〜」とか
言っちゃうんですが、
ばいきんまんは言うんです。
「そんなことで泣くな。オレさまは何度も失敗してるんだ!」
それで何をし始めたかと言えば
工具を作るところから始めたんですよ。
炉を作り、
火を燃やし風を送り、
鉄を溶かして。
そしてノコギリとかハンマーとか
そう言うのを一つ一つ作っていくんです。
なにそのドクターストーンすごい。
(ドクターストーンも熱い作品だよ!)
で、ここの描写が
めちゃくちゃ細かくて胸熱。
そのなかで木材をまっすぐ切るために
墨壷まで使ってるところはマジすげぇです。
糸に墨を含ませてパチン!ってやって
まっすぐな線を引く大工道具です。
また、カンナを使って
シャッシャッと木材を削って
真っ直ぐに調整していく。
職人カッケェです。
そういう何もないところから
黙々と自分のやるべきところをやる姿に
ズキュンと来る人はめっちゃ多いと思います。
で!
ばいきんまんのカッコよさは
いろんな人が語っているので
まぁ良いとしましょう笑
私が注目していたのは
妖精ルルンの方です。
ルルンはめちゃくちゃ軟弱で
すぐ泣き言を言います。
無理だよぉ〜〜〜〜〜。
ダメだよぉ〜〜〜〜〜。
助けてぇ〜〜〜〜〜〜。
これに「イラッ」って来たって感想も
けっこう多かったですね。
ですが、
これにも訳があるんですよね。
ちょっと自分に置き換えて
想像してみましょう。
ルルンはすいとるゾウによって
住んでいた大森林を枯木に変えられ、
仲間たちを全員奪われて、
そしてそれに対して何もできなかった自分
って経験をしちゃってるんです。
どうにかしたい!
故郷も仲間たちも取り戻したい!
っていう気持ちはもちろんあります。
だけど、すでに大切なものを
すべて奪われていってるんです。
自分がいかに無力な存在なのかを
芯まで分からされちゃったんです。
だから怖いんです。
怖いから、言っちゃうんです。
無理だよって。
ダメだよって。
誰か助けてって。
自分には無理なんだ。
だけどこのままじゃいけない。
だから誰か助けて!
怖くて自分じゃ立ち向かえないんです。
無力感と諦めに支配されちゃったんです。
そこで最後の望みをかけて
勇気を振り絞って行動した結果が
ばいきんまんの召喚だったんですね。
でも、そのばいきんまんも
すいとるゾウにボロ負け。
子供向け映画だから
ライトタッチで描かれてますけど
もう軽くホラー展開ですよ、これ。
でもね。
そのボロ負けしたばいきんまんは
どうやったら勝てるかを考えて
今できることを一歩一歩やっていくんです。
鉄から工具を作り、
木材を切り出し製材し、
部品をひとつひとつ作り、
組み立ていく。
この姿に次第に感化されて
ルルンも手伝うようになっていくんです。
でも、不器用なルルン。
手伝いで失敗しては部品を壊したり
作業を邪魔したりしちゃう。
で、
「やっぱりルルンにはできない〜〜」
って泣いちゃうんですが、
そこでばいきんまんが言うんです。
「そんなことで泣くな。オレさまは何度も失敗してるんだ!」
ここで、ふと思いました。
普段のアンパンマンの世界では
ばいきんまんが暴れてアンパンチされて
めでたしめでたしです。
ですが、
裏ではこういうふうに何度も何度も
チャレンジしていたんだよな、って。
壊された部品とかってのも
ぜんぶ自分でイチから設計制作していて
見えない工程が山ほどあるんだよな…
ってね。
だから、やっぱこのシーン熱いんですよね。
で、次第に二人はバディになっていく。
ルルンはひとつひとつの作業を
一緒にこなしていくことで
少しずつ自尊心を取り戻していくんですよね。
ただ、身に刻まれた無力感て
そんな簡単に拭いされるものじゃないんです。
ウッドだだんだんが完成しての
すいとるゾウ第二戦では
善戦するもののやっぱり負けちゃうんです。

せっかく一緒に作ったロボが
すいとるゾウにぶっ壊されるんです。
ここでやっぱり恐怖がぶり返します。
やっぱり無理だぁ〜〜〜
ってなっちゃうんです。
もうね。
ここ「自分だったら…?」って
想像力豊かにすると
けっこうしんどいシーンなんですよね。
ずっと無力感に苛まれたところから
立ち上がって一歩一歩努力して
やっと完成したやつが
ぜんぜん通用しなくてぶっ壊されるんです。
うわぁぁぁぁぁぁーーーー!!(恐怖!!)
で、
ばいきんまんがここで
自分にとってもっともやりたくないけど
この状況を打破するためには
これしかないってことを選択するんです。
「アンパンマンを呼んでこい!」
って。
この選択ができるって
超かっこ良すぎる…!!
で、ちょっとこっから
すっ飛ばしますが、
アンパンマンたちがやってきて
すいとるゾウとの最終決戦です。
やっぱり苦戦するんですが、
アンパンマンもばいきんまんもやられて
絶体絶命のところで
やっぱりルルンが覚醒します。
(お約束だよね!)
胸のペンダントが光り輝いて
いままで使えなかった「森の力」が使えるようになり
すいとるゾウに対抗します。
※ルルン第一形態
「やったか?!」って感じですが、
すいとるゾウが思ったより強くて
ルルンの力が通用しなくなります。
でも、さらにルルンが勇気を出して
さらなる力を引き出して、
ウッドばいきんまんを生成して
すいとるゾウに立ち向かいます。
※ルルン第二形態
かなり強いのですが、
すいとるゾウはもっと強くて
ウッドばいきんまんは生命力を吸いとられて
シオシオのパーになります。
アンパンマンもばいきんまんも
応戦するのですが、
あわや全滅ってところまで追い込まれます。
…すいとるゾウ強すぎん?
で!
ここで、
ルルンのマインドに変化が起きます。
物語の初期のルルンは
無力感と諦めと恐怖に心が支配
されていました。
ばいきんまんとのやりとりで
少しずつ自尊心を取り戻していきましたが、
恐怖心は払拭しきれません。
そして、
ばいきんまんやアンパンマンの姿に感化されて
勇気を出すことで
「森の力」を引き出せるようになりました。
でも、すいとるゾウには通用しない。
実は…
ここまでのルルンは
「自分のため」に力を使おうとしていたんです。
「森の力」を使えるようになったことは
確かに素晴らしい成長ですが、
それも「他の誰かの力」です。
自分自身の力じゃあない。
そして、追い込まれたとき、
ルルンはこう言ったんです。
「私 ”が” みんなを守る!」
ここ、震えたよね。
アンパンマンも無力化されて、
ばいきんまんもボロボロになって、
森の力も通用しない。
そんな最大のピンチのときに
他の人や森の力があろうとなかろうと関係なく
「自分自身が立ち向かうこと」
を宣言したのです。
そのとき、
背中の小さな羽が大きく
光り輝き出し出します。
※ルルン最終形態
ルルンの本来の力が引き出されたんです。
それに呼応するように
アンパンマンは顔を換装し復活し(お約束)、
ばいきんまんもメカを応急処置して参戦し(熱い)、
3人の力の連携ですいとるゾウを打ち破ります。
この映画は
ばいきんまんの凄さが
クローズアップされることが多いと思います。
もちろん私もその一人ではありますが、
それ以上に私はルルンの
「無力感や自己否定や恐怖に立ち向かい
自分の至らなさを背負う覚悟を決めて
自らの足で立つ」
という自己成長の物語に
とても共鳴しました。
とはいえ、
現実ではこんなにシンプルにはいきません。
ばいきんまんみたいなメンター、
アンパンマンみたいな安全基地に
出会えるかどうかも分かりません。
一つの恐怖、トラウマを乗り越えるために
1ヶ月や2ヶ月ではなく
1年2年どころか10年20年30年と
長い年月かかってしまう場合もあることを
知っています。
ですが、
やっぱりどこかのタイミングで
試練に立ち向かうことは
必要だと思っています。
そのときに必要なのが
「自分の過去を背負う」ことであり
「自分の足で立つ勇気」です。
この覚悟を決めたとき、
世界は呼応し、
未来を切り開く力が内から
湧き上がってくる。
で、ここでつながりました。
映画の冒頭のお祭りのシーンで
「アンパンマン体操」をやってた理由が。

なんでこの曲?って思ってたんですが、
こんな歌詞があるんです。
「アンパンマンは君さ」
アンパンマンってのは
愛と勇気の象徴であり、
ヒーローの象徴だよなぁ〜。
で、アンパンマン=君、とな…。
ここで「あっ!」と思い至りました。
つまり、
いま辛いことがあっても、
どうにもならないと思っていても、
自分の無力に打ちひしがれていても…
きっと大丈夫!!
愛と勇気はみんな持っているんだよ!
君自身が「愛と勇気」なんだよ!
そのことを思い出して!
君はもともとヒーローだったんだよ!
そして、
ヒーローであることを思い出した君は
また誰かにとってのヒーローに
なっていくんだよ!
この映画が
いちばん伝えたかったメッセージは
これかぁ〜〜〜って思いました。
いやー、ほんとにいい映画でした!
ほんの1時間くらいに
胸熱ポイントが凝縮してる映画です。
おすすめ!!
そして、このルルンの物語は
私たちの物語(人生)とも繋がっています。
この物語とは、
無力感と諦めに支配され、
恐怖から「無理だ」と逃げ続けてしまっていた私が、
「メンター」と出会い、
「安全基地」に見守られながら、
最終的に「私“が”みんなを守る!」と、
自らの意志で立ち上がるまでの軌跡。挫折や絶望に打ちのめされながらも
恐れや恐怖を抱えながら自らの足で立ち、
自らの物語の主人公として未来を切り拓いていく姿が、
いつか誰かの心に火を灯していく。
こういう物語の原型です。
もし、この作品を観たときに
心が震えるとしたら、
あなたも私も同じ型の物語を持っているのです。
これは映画の中のルルンたちの物語というだけでなく、
自分自身の物語とも捉えられるのです。
もちろん起きている出来事は違います。
ただ、すいとるゾウのように
『強くて』『怖くて』『勝てそうもなくて』
『足がすくんでしまう』
そんな存在とは自分にとっては何なのか?
ばいきんまんのような
厳しくも優しいメンターや
アンパンマンのような安全基地とは
自分にとっては何なのか?
そして、
私はいったい何に対して勇気を出して、
いったい何を成したいと思っているのか…?
そういう視点を取り入れると
自分の人生という最高の物語を進める
大きなヒントになってくれるんですよね。
私は歌うことで自己対話して
自分の人生を再創造するような在り方の追究を
人生のテーマとしています。
だから、この作品のように
生きる道に迷いながらも
勇気を出して自分の本質を思い出していくような
熱い漫画アニメ映画がめちゃくちゃ大好きです!
そして、
自分自身も、ご縁ある人とも
『人生が覚醒する瞬間』をともに体験したいと
思っています。
さーて!
次はどんな作品に出会えるかな?
楽しみです!
それでは、ありがとうございました!