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Singer Song “L”ighterへの道⑧「心を声に乗せて歌う技術|真面目な声の育て方、ズルい育て方」

私は、個人セッションをするときに
ボイストレーニングの方法だけではなく、
身体の整え方や日常での悩み、会社での人間関係など、
様々な相談に乗っています。

それは、
緩むことで身体という楽器が調律され、
対話することでネガティブな想いがほどけて心が調律され、
その結果として声がガラリと変わっていくことを
たくさん経験してきたからです。

実際に個人セッションでは、
まったくボイストレーニングをしないで
話をするだけで終わることもあります。
しかし深く対話することで声は確実に変わっていくのです。

正直、歌の技術的な能力を高めたかったら、
声の土台を築きあげるのが一番です。

いろんなテクニックを解説している教材や多くのレッスンは
ハッキリ言うと「氷山の一角」です。
表面に出ている部分はほんのちょっとだけです。

これは優れた歌い手の方に
「声を出すときに一番大事なことは何ですか?」
などと質問してみると良く分かると思います。

「姿勢だね」と言う方もいますし、
「筒になったような感じかな」だったり、
「何もしてないなぁ〜〜〜」って方もいます(笑)

でも、実は意識していないだけで
その声は「膨大な技術の結集体」という土台の上に
築き上げられているものです。

優れた歌い手の方って、解説されているような考え方を、
そもそもしていないんです。

歌が上手い人って、まるで、何もしていないのに
鮮やかに想いのままに歌っている、と思われがちですが、そうではありません。

本当は、色んな方法を試して、失敗して、を繰り返しながら、
あちこち寄り道をしているうちに「これだっ!」という閃きが生まれるのです。

つまり、そこには理屈では説明できない思考が存在するのです。

逆に言うと、あれこれ試行錯誤するプロセスこそ、大事だったりします。
このあたりが、声を学ぶ人が悩んでしまう原因を生み出しています。

でも、例えばレッスンでは「その場で効果が出る方法」に特化してやった方が
格好がつきます(実際にノリで声も出るようになります)。

だけど、定着しません。

レッスンから帰ってみたら「あれ?何でできたんだろう??」となって
一人になったらできなくなってしまうという人はとても多いです。

それにレッスンする側も分からないのです。

歌い手になろうという人は、
もともと声帯や身体の使い方が上手く、
以前の私のように声の根本で悩んだことが無い人がほとんどだと思います。

心臓の動かし方や食べものの消化の仕方で
悩む人がいないのと似ているのです。

どんなに出来る人でも、分からない時は分かりません。

例えば、私はたくさんの合唱曲を歌ってきて
オーケストラとも数多く演奏してきましたが、
すごく歌いやすい指揮者と歌いにくい指揮者がいました。

オーケストラの指揮者ですから、音楽的には卓越しています。
オケを振ったことが2回だけあるのですが、
演奏者からの圧力はオソロシイほどです。

例えるなら通常の合唱団の演奏が川だとしたら、
オーケストラはどでかい運河です。
こちらが少々何をしたところで流れはほとんど揺らぎません。

それを統制しているのだから、並大抵ではありません。

しかし、こと合唱指揮となると何だか「?」となることは多かったです。
とくに「アマチュア合唱」の指導としては、
音大でも無い学生指揮者の方が声が出しやすい、ということがざらにありました。

技術的に優れた人ばかりを相手にしていると、声の出し方そのもので悩んでいた
かつての私のような人には、伝える手段がなかったりするんです。

そんなものなんです。

おなじ先生についていたとしても
うまく課題と解決法がハマればうまくいくし、
ハマらない人は5年経っても10年経ってもあまり上達しません。

私もそのようなパターンをたくさん見てきましたが、
上達する人は熱心な人なのか?というと、意外とそうでもありません。

特に歌についてはそうです。

ボイストレーニングも同じです。

熱心に練習しても伸びない人はぜんぜん伸びないし、
練習すればするほど下手になることもあります。

この動画では、かつての私のように
真面目に練習しているのになかなか上達しない人と、
そんな人から見たらズルいほどに簡単にできるようになってしまう人。

そんな2つのパターンについてお話しています。



ちなみに、私は超がつくほど練習熱心で、
情報収集も大好きの理論派でしたが、
練習すればするほどドツボにハマり、
最後には自分らしさを消して何とか声を安定させていました。

今はまったく違う声を出しています。

YouTubeで発信し始めた頃からも
主張がだんだん変わって来ていて、
もしかしたら、この主張も数年後には
また変わっているかもしれません(苦笑)

けど、そんなことを言ってもはじまらないし、
その時その時でこれが最高と思っているものを
真剣に伝えたいと思っています。

ただ、数多くのクライアントさんとの経験を積んで
かなり精度は上がってきました。

私の声に対する想いの源泉を自覚したことから
メールで質問をいただいたり、
レッスン中に閃くアイデアがポンポン出るようになったのです。

数多くの難しい練習法をこなすのではなくて、
数少ないシンプルな練習をできる限り色んな側面から徹底的に行い、
クオリティを上げるだけで
かなり声は出しやすくなるはずです。

コウタロー

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